臨床経験を踏まえて、指圧の効果とからだの能力についてまとめてみました。

からだと指圧のこと 目次

I.からだのこと

1.ホメオスタシス(内部環境の恒常性)について

 

人は、ホメオスタシスという性質を持って生まれてきます。*注1
ホメオスタシスの和訳は「内部環境の恒常性」です。つまり「体内を常に良好な状態に保つ」という健康維持の性質です。

 

では私たちには、具体的にどのようなホメオスタシスが備わっているのでしょうか。
傷を治す、
ウイルスや細菌を退治する、
がん細胞を排除する、
細胞を新しくする(細胞分裂)、
体温や血圧を生き易い値に調整する、
細胞や体液の成分を調整する(タンパク質、糖質、脂質、ミネラルなど)、
ホルモン、酵素、神経伝達物質などを生産する、
傷んだ部分があれば危険信号(痛み)を発する。
この他にも多数の能力があります。

 

これらの能力を担っているのが「細胞」と「生命線」です。このあとの2~6でご紹介していきます。また7~9で、細胞分裂と自然治癒力(ホメオスタシスの話1~3)についてお話します。

 

*注1:人の性質は、「生きる(生存)」「子孫を残す(生殖)」の大きく2つに分けられ、ホメオスタシスは前者です。

 

 

2.細胞が集まり人体となる

 

ほとんどの細胞は肉眼では見えない小さなものですが、そのひとつひとつが、栄養を取り込み不要なものを排泄する生命体です。
筋細胞、骨細胞、脳細胞、神経細胞、赤血球、白血球、リンパ球、視細胞、臭細胞、精子、卵子・・・細胞の種類は実に多様で、これらが組み合わさって臓器や筋肉や骨格、皮膚や血管などが形づくられます。そして更にまとまって人のからだとなります。

 

それぞれの細胞は、何らかの技術の持ち主です。筋細胞はからだを動かす仕事を、神経細胞は情報伝達の仕事を、リンパ球は免疫の仕事を担っています。ホメオスタシスは、これら幾種類もの細胞が協力して仕事をすることで成り立っています。

 

人のからだは60兆個、二百数十種類の細胞によって作られています。二百数十種類の仕事が円滑に行われることで、健康に生きられるのです。

 

 

3.からだの生命線は血管、リンパ管、神経

 

細胞が仕事をするために重要なのが、①血管(動脈と静脈)②リンパ管③神経です。

 

細胞という生命体が生きていくためには、栄養補給の経路が必要です。また、いくつもの細胞が協力して仕事をするためには、細胞と細胞を橋渡しすることも必要になります。それらを担うのが①②③です。それぞれが、からだ全体を網羅して流れています。

 

この流れによって、細胞に生活必需品が運び込まれ、不要なものが排出されます。細胞が作り出す物質が、からだの各所に届けられます。栄養や酸素やホルモンや酵素や情報などが、流れを通してやりとりされることで、生命活動が営まれています。この流れはからだの生命線といえます。

 

 

4.もしも生命線が断たれたら

 

①血管②リンパ管③神経が、もしも途中で断たれたら?

 

例えば、血管の途中に血栓(コレステロールなどの塊)が詰まると、その先の細胞が壊死します。神経が切れてしまったら、ある部分の感覚は無くなり筋肉は麻痺します。リンパ管を手術で切除すると、免疫力が下がってしまいます。

 

生命線が断たれることが細胞の死につながり、からだのダメージになります。

 

 

5.生命線を邪魔するコリと張り

 

①血管②リンパ管③神経が断たれるとまではいかなくても、「流れにくい」という状況は、どなたのからだの中でも起こっています。その原因のひとつがコリと張りです。*注1
骨と軟骨以外のからだの組織は本来柔らかいのですが、負担がかかると硬くなります。これがコリと張りです。その硬さが生命線の邪魔をします。*注2

 

張りは、いわゆる「張っている」「むくんでいる」と感じる状態です。コリは張りよりも硬いもので、硬ければ硬いほど生命線を圧迫します。硬い範囲が広ければ広いほど、硬い箇所が深ければ深いほど、やっかいになります。

 

*注1:他の原因としては、手術や事故による切傷や癒着、血管内の動脈硬化など。
*注2:からだへの負担とは、疲労、冷え、化学物質、食品添加物、紫外線、ストレス、喫煙、飲酒、けがなど。

 

 

6.まとめ

 

まずは、生命線(①血管②リンパ管③神経)がスムーズに流れていることが重要です。
すると、各種細胞が元気に働きます。
すると、ホメオスタシス(健康を維持するためのさまざまな能力の総称)が働き、からだが整います。
すると、健康を維持することができます。

 

この後の7~9では、「細胞の治癒」「自然治癒力」といったホメオスタシスの一例について、お話したいと思います。

 

 

7.細胞の治癒(ホメオスタシスの話1)

 

細胞はいつも元気でいるために、細胞分裂をして常に生まれ変わっています。細胞には寿命があり、老化した細胞から新しい細胞にバトンタッチしていくことで、体内環境を維持しています。これは細胞レベルの治癒と言えます。*注1

 

コリを取り、①血管②リンパ管③神経の流れがよみがえることで、栄養や酸素が充分な環境で細胞分裂できるようになり、生まれてくる細胞は以前よりも健康になっていきます。

 

からだ全体の細胞は、一年あればほとんどが入れ替わると言われています。一年後の自分は今の自分とは違うからだを持っています。*注2*注3
もちろん、ダメ細胞が一回の細胞分裂で最優秀細胞を生み出すのは無理なのですが、栄養や酸素が整った環境のなかで、地道に分裂を繰り返していけば、健康なからだへと戻していくことは可能です。

 

先天的に無かった能力や、再生不可能なまでに傷めてしまった能力(肝硬変や心筋壊死や脳細胞壊死によるものなど)は無理なのですが、それ以外であれば改善することができます。

 

*注1:一生分裂をしない細胞も少数存在します。たとえば脳細胞です。(海馬など脳細胞のごく一部は分裂する)一生かかっても使い切れない脳細胞を持って、人は生まれてきます。たくさんのストックがあるので、分裂する必要がないのです。脳細胞が入れ替わると、記憶が消えたり考え方が変わったりしてしまいます。

 

*注2:人の細胞には二百数十の種類があって、寿命がそれぞれ違います。細胞単体の寿命は、小腸の絨毛細胞は24時間、胃粘膜細胞4日、肝細胞20日、皮膚は28日、赤血球は120日、と言われています。骨細胞全部が入れ替わるには10年といいます。一年で多くの細胞が入れ替わることが、このデータからも納得していただけると思います。

 

*注3:更にいえば、細胞内のタンパク質は、食事によって毎日新しいものと入れ替わっています。これについては「その他のこと:毎日の食事が細胞を活性化させる」をご覧下さい。
「その他のこと:毎日の食事が細胞を活性化させる」参照

 

 

8.自然治癒力-免疫力(ホメオスタシスの話2)

 

体内を乱す細菌やウイルスを撃退するのも、ホメオスタシスです。

 

免疫学では、自分の細胞を『自己』と呼びます。免疫細胞は本来『自己』を攻撃しません。からだの中に入った細菌やウイルスは、『非自己』として免疫細胞に攻撃されます。他人の細胞も『非自己』なので、生体移植や輸血には制限があります。

 

ガン細胞は、元々は『自己』なのですが、ウイルス、紫外線、化学物質などによって異形と化した細胞です。免疫細胞はこれを『非自己』と認識して攻撃します。*注1
正常な細胞からガン細胞に変化する数は、一日に300個以上とも言われています。人の免疫力は、毎日それだけのガン細胞を排除できるのです。

 

免疫細胞が『自己』を攻撃してしまう病もあります。膠原病などは、正常な自分の細胞を『非自己』と見誤って攻撃することで、炎症などの症状を引き起こします。また、からだにとって無害なもの(食品や花粉など)に対して免疫反応は起こらないはずなのですが、それが過剰に起こってしまうのがアレルギー反応です。

 

もし『自己』『非自己』の見極めが上手な、優秀な免疫細胞へと(細胞分裂して)世代交代をすることができれば、細菌、ウイルス、ガン細胞などはしっかりと攻撃し、無害なものには過剰反応しにくくなります。

 

*注1:健康な細胞ががん細胞に変わる原因は、ウイルス、紫外線、化学物質、食品添加物、ストレス、喫煙、飲酒など、コリのできる原因と重なります。コリをつくらないようにすることが、自然とがんの予防にもなります。

 

 

9.自然治癒力-その他(ホメオスタシスの話3)

 

私たちのからだは、その他にもいろいろな治癒力を持っています。

 

傷口から血が出れば血小板が止血します。
鼻水や涙、汗、唾液、消化液には殺菌作用があります。
咳やくしゃみは異物を外に出します。
便、尿、汗で老廃物を外に出します。生理も排泄行為のひとつです。
からだに取り込んだものに危険を感じれば下痢、嘔吐します。
熱も重要な治療法です。体温が上がることで免疫反応が活発になり、発汗によって老廃物が外に出ます。このようなときにだるさが出るのは休息を促すサインです。
痛みの感覚も大切です。健康ではないところをからだが教えてくれているのです。

 

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II.指圧のこと

1.指圧がからだのためにできること

 

「からだのこと」にありますように、生命線がスムーズに流れて、細胞が元気でいることが大切です。今からだの中にあるコリ・張りを少しでも減らして、生命線の流れを断ち切らないようにすることが、健康になるための改善策となります。

 

「7.細胞の治癒(ホメオスタシスの話1)」に書きましたが、からだのほとんどの細胞が一年あれば総入れ替えします。一年後の自分は、今の自分とは全く違うからだ(違う細胞)です。つまりコリ・張りを取ってからだのメンテナンスをしていくことで、今よりも健康な自分へと変化していくことができます。

 

そして指圧は、このコリ・張りを取ることを得意としています。健康になるために、大きなお手伝いができます。

 

「7.細胞の治癒(ホメオスタシスの話1)」参照

 

 

2.当院の指圧の特長

 

当院の指圧は、鈴木林三先生から20年間指導を受けて、精進してきた技です。 師は、浪越徳治郎氏(指圧の心母ごころ おせば生命の泉湧く)の直弟子として指圧を修め、ご自身の治療院で臨床をしながら、日本指圧専門学校(浪越氏創設の専門学校)の講師として後進の指導に力を注がれた先生です。*注1

 

この指圧の特長を大きく2つ挙げると、①独自の圧す技術と②全身指圧です。

 

①当院の指圧は、患者さんの状態にあわせて、圧を充分にコントロールしながら圧すことができます。患者さんのからだに負担をかけず、効果の大きい圧し方です(修練の要る指圧法です)。
また、圧した刺激は神経を通じて、患者さんの脳やからだ全体に伝わります。良質の刺激は、直接触れられないからだの深層にも効果を及ぼします。

 

患者さんとお付き合いしていくうちに、その方のからだのことが分かってきます。いつもと違うところがあれば、「普段とは、ここが違っていますよ。」と、お声をかけることができますので、患者さんと一緒にコリの原因を考えていくことができます。

 

当院では、畳に布団を敷いて施術をします。ベッドではこの独自の圧し方ができないからです。施術者が圧す姿勢を安定させるために必要なスタイルなのですが、昔ながらの日本の就寝の形ですので、患者さんにも安心してお休みになっていただけると思います。

 

②全身指圧にこだわるのは、からだ全体はつながっているからです。ホメオスタシスも、全身の細胞の協力体制のもとに成り立っています。そのため当院では、からだの一部分だけの治療は行っておりません。患部の影響は、離れた場所にも及びます。からだ全体のメンテナンスをすることが、どのような疾患にも効果的です。

 

*注1:日本指圧専門学校は厚生労働省認定の専門学校で、3年間学び卒業資格を得ることで、「あん摩マッサージ指圧師」という名称の国家資格を受験することができます。国家資格を取得せず、あん摩・マッサージ・指圧などの手技を行うことは禁止されています。当院院長は日本指圧専門学校を卒業し、国家資格を取得しております。

 

施術内容をもっと詳しく知りたい方は「病気のこと:乳がん、乳腺炎」参照

施術内容をもっと詳しく知りたい方は「その他のこと」参照

 

 

3.治療の過程

 

指圧治療は、家のお掃除をイメージしていただくと、分かりやすいように思います。少し読みにくいかもしれませんが、どうかお付き合い下さい。

 

掃除:長年のゴミや埃が溜まっていて、家が大分汚れています。
指圧:長年の負担のためにからだにコリが溜まっていて、体調が悪いです。
掃除:掃除のプロに大掃除を頼みました。
指圧:指圧師にからだの大掃除を頼みました。

 

掃除:大掃除が済みました。汚れ全部は取りきれていませんが、大分きれいになりました。
指圧:指圧に行きました。コリはまだまだ残っていますが、大分楽になりました。
掃除:きれいにしてもらった家も、また少しずつゴミや埃が溜まります。毎日掃除しているのですが。
指圧:楽になったからだも、また毎日の疲労や冷え等によって、新たなコリができていきます。毎日自己管理もしているのですが。

 

掃除:またプロに掃除を頼むことにしました。まず前回の掃除以降に出たゴミをさっと片付け、次に時間の許す限り、年季が入って染み付いた汚れに着手しているようです。
指圧:2回目の指圧に行くことにしました。まずからだの表層にある新しいコリを取ってから、時間の許す限り、深部にあるコリ(長年の疲労の堆積物、不調の元凶)に着手するようです。
掃除:この積み重ねで、家が少しずつきれいになっていきました。
指圧:この積み重ねで、からだが少しずつ健康になっていきました。

 

健康への鍵は、新たなコリも取りつつ、いかに過去のコリを取り去れるか、というところにあります。長い年月のうちに溜まった過去のコリは硬くて深いので、からだの能力を邪魔してしまうのです。

 

 

4.健康維持のための適切な治療間隔とは

 

指圧後の体調を維持できているうちに、次の指圧を重ねていくことが大事です。

 

日常生活の中にはからだの負担になる物事(つまりコリ・張りをつくる原因)がたくさんあります。
例えば疲労、冷え、食べ過ぎ、夜更かし、化学物質、食品添加物、ストレス、喫煙、飲酒などです。暑さ、寒さ、乾湿、紫外線、花粉、大気汚染などの自然環境もコリの原因となります。新たなコリをつくる前に次の治療をすることで回復が早まります。*注1

 

健康状態を維持する力(新たなコリをつくらない力)には個人差があります。現在の、①身体状況②年齢③日常生活の負担の度合い④自己管理の程度などによるものです。まずはご自分のからだが今どういう状況なのか、把握していただくことが大事です。
指圧は全身に触れますので、どこがどういう状態なのか、細かい身体状況のご説明が可能です。また、必要な治療間隔のご提案もいたしますので、どうぞ参考になさってください。(営業目的での不必要な提案はいたしません。)

 

定期的な指圧でからだは変化していきます。治療間隔はそれに応じて変えていけば良いのです。
深部のコリ(長年の疲労の堆積物、不調の元凶)が取れてくれば、からだに力が出てきます。感覚も良くなり、からだに負担になることが自然と分かるようになってきます。そうすれば自己管理もしやすくなりますので、そちらを健康維持のメインに据えて、指圧治療を補助に考えていただけば良いと思います。

 

東洋医学では「からだの声を聞く」ということを大事にしています。疲れたと感じれば休む。痛みがあるところは温める。冷えを感じればやはり温める。
からだの声を聞いて自己管理をし、からだの声を聞いて指圧を継続していただければ、つらさのない穏やかな毎日になると思います。

 

*注1:ちなみに「指圧で緩んだからだは、何もしなくても、時間が経つと元の硬い状態に戻ってしまう」ということはありません。日常生活の中にからだへの負担(コリの原因になる)が何かしらあるので、また徐々に硬くなっていくのです。日々の負担をできるだけ少なくし、負担にも増してからだをいたわることで、指圧後の楽な状態は維持されます。

 

 

5.定期的に指圧をしたときの効果

 

深部にあるコリ・張りまで取っていくことで、からだ本来の能力(健康維持の性質=ホメオスタシス)を発揮できるようになります。体質改善と言い換えてもいいかもしれません。

 

頭痛、肩こり、腰痛、関節痛などの他にも、内蔵の機能、免疫力、アレルギー、低体温、高血圧、低血圧、高血糖、便秘、生理痛、めまいなど、定期的な指圧によって思わぬところの改善がみられます。もしも完治は難しい病であっても、今よりも楽になるお手伝いができると思います。

 

また、指圧は美容にも効果があります。新陳代謝やホルモンバランスが改善されることで、顔色が良くなる、肌に張りがでる、髪にコシがでる、髪の量が増える、足のむくみが取れる、顔のむくみが取れる、顔の左右差(ゆがみ)が減る、胸の形が良くなるなど。健康は健康美につながります。

 

色々なことが良くなりますよと言うと、なんだか怪しいとお感じになる方がいるかもしれません。しかしコリでいっぱいの硬いからだは血流も悪くて、健康維持の能力が発揮できません。全身の血流を良くすることで様々なことが改善するのは自然な流れです。

 

ただし深部にあるコリまで取るには時間がかかります。そこはご了承下さい。
手間隙をかけてあげればからだは応えてくれます。変化を楽しみながら治していきましょう。

 

 

6.健康なからだは敏感です

 

圧してみるとすごいコリ・張りなのに、本人は日常生活において痛みを感じていないことがあります。コリが硬すぎて、その周辺の痛覚神経が鈍くなり痛みを感じないのです。

 

人一倍健康で働き者という評価の人が、急に大病をすることがあります。それは一見急なことのようですが、痛みに鈍感なからだだったために際限なく動けていたということも、大いにあり得ると思います。

 

健康なからだは敏感です。敏感なからだは早く異変を感じます。冷房の中ではすぐに冷えを感じます。冷えれば温めたいと思います。菌やウイルスなどがからだに入れば、くしゃみ、鼻水でそれらを外に出し、強いウイルスならば熱を出して対抗します。疲れも敏感に感じますので、感じたときにすぐに対処をすれば不調が長引きません。敏感さを生かすことが、大病を遠ざけることにつながります。

 

 

7.痛みのこと

 

痛いと感じるのはなぜでしょう。

 

からだのなかには健康ではないところがあります。そこにはコリや疲労物質や傷があり、それが痛覚神経を刺激するので痛いと感じるのです。この痛みは「からだの警告」といえます。

 

痛みの感覚というのは、決して悪いものではありません。健康ではないところをからだが教えてくれているのです。痛みという危機感があるので、患部の治療をしたり温めたり休息したりという、治療行為ができるのです。そのためのとても大事な感覚なのです。

 

「病気のこと:痛み」参照

 

 

8.指圧後のだるさや痛みについて

 

痛みについては7でご説明しましたが、指圧後のだるさや痛みとはどのようなものでしょう。(毎回出るものではありません。)

 

指圧後しばらくは(次の日位まで)、圧刺激によりからだが変化します。この変化中、一時的に具合の悪さ(だるさや痛み)を感じることがあります。
だるさは、指圧後ゆっくりして一晩寝れば、朝にはすっきり楽になっていると思います。
痛みが出たときは、患部をカイロで温めて(必須)、からだをなるべく休めてください。温めるとからだが緩む手助けとなり、早く楽になります。湯煎した保冷剤やこんにゃく、レンジでチンするホットパックなども良いです。
次の指圧に早めにお越しください。「あれ、痛かったところが前よりも柔らかくなっている。」と実感していただけます。
ご心配であればいつでもご相談下さい。*注1

 

指圧後のだるさや痛みは「寝ている子を起こしてしまったもの」というと分かりやすいでしょうか。調子の悪い方のからだには、たくさんのコリがあります。硬くて深いコリのなかには、痛みを感じられないで眠っているものも多いのです。(6.健康なからだは敏感です、をご覧下さい。)
しかし寝ているからといって悪さをしないわけではなく、体内に硬い部分があるのですから、①血管②リンパ管③神経の流れを阻害し、ひいては生命活動の邪魔になっています。

 

指圧によって疲労部分(コリ)が変化するときに、コリ周辺の痛覚神経が一緒に刺激されます。そのためにだるさや痛みを感じるのですが、これはご自分の疲労部分を素直に感じていると言えます。疲労部分が変化しきれば、指圧前よりもコリが緩みます。早めに次回の指圧を受けていただけば、からだが良くなっていることを感じていただけます。

 

*注1:これは、いわゆる「もみ返し」とは正反対の反応です。もみ返しとは、皮膚や筋肉を傷めるような強い施術をしたために、施術した場所が炎症を起こすことをいいます。もみ返しの痛みは、炎症の痛みです。これは、良くない施術による良くない痛みといえます。炎症の起きたところは、新たなコリができて硬くなるので、更に血行が悪くなってしまいます。

 

「その他のこと:指圧後にでる痛み」参照

 

 

9.時間をかけると見えてくること

 

足がだるくてふくらはぎが頻繁につっていた方がいます。施術を重ねるうちに足は楽になり、今度は胃の悪さを感じるようになったということがあります。胃腸の調子と下肢の循環はつながっています。まず足が先に良くなったので、残った胃の悪さを感じるようになったのです。

 

からだが緩むにつれて、その方の最も弱いところや調子の悪い原因があぶりだされてきます。あちらもこちらも硬いときには、見えてこないものがあります。弱いところや原因が絞られてくれば指圧の効果も上がりますし、指圧師は患者さんへの具体的な生活上のアドバイスをしやすくなります。

 

 

10.日常生活に心配りを

 

つらすぎて自分でからだのメンテナンスができないときは、指圧を頼ってください。そして少し余裕が生まれてきたら、日常生活に心配りをしてみてください。

 

からだが楽だなと余裕が出てきたときは、健康のレベルが前よりも上がっているということです。これはからだにとってとても大切なことです。
ただ3に書きましたように、毎日の疲労や冷えなどで、新たにコリや張りが溜まっていきます。健康レベルを一定のところで安定させるには、指圧に加えて日常生活の中でのからだのメンテナンスが大事になっていきます。(毎日埃が溜まるので掃除をするように。)

 

「自己管理のこと」というページを作って、いくつかの管理法をご紹介しています。楽しくできそうなことから、毎日の生活に取り入れてみてください。

 

詳しくは「自己管理のこと」参照