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 「29歳のプロフィール」  藤堂志津子  2001.2
かわいそうな女性の話だった。初めの恋愛で傷つき、その後の人生があまりにも屈折した上、人との接し方 が極端につかみどころのない、なんともいえない20代を過ごした後、事故で亡くなってしまう女性、多絵子。彼女と接した幾人かの男性達の目から見た、まるで別の人物かのような彼女の姿を描いている。まさに名前のとおりの多絵子。そのうち、数人の男性は彼女のせいでその後の人生に影をもつくってしまう。
その中でも、広告代理店の女性営業ウーマンとして、男性に負けないで頑張る多絵子の強い姿に感銘を受けた。きっと、こういう人はきっといるだろう、と思う。
男性陣、ご注意を・・・。

 「和宮様御留」  有吉佐和子  2000.12.15
怖かった。小説だと分かっていてもありえる話しなので、ものすごく怖かったです。
あらすじは、幕末の頃の、天皇の妹宮である和宮のお話しです。天皇家と幕府の 友好(?)のために、徳川家に嫁がなくてはいけないことになり、どうしてもそれを 受け入れられなかった和宮に身代わりにフキという少女がなるのです。しばらく宮様 と一緒に生活をし、全く同じ生活を身に付けて江戸へ行くのですが、その途中心労が たたって発狂し、また更に別の女性がその替え玉となって江戸に嫁いで行く、という 話しです。

何が怖いのかと言うと、人を人とも思っていない扱いです。
まず、フキの場合、なぜ御所に連れてこられたかも分からないまま、物を話す事も 勝手な行動も一切許されず、約2年間くらい過ごしたようです。もともと下働きで水汲みをしたり、元気に歌ったり して過ごしていた子だっただけに、ものすごくつらかったようです。なぜ、ここに いるのか、どうして自分が宮さまと入れ替わったのか、しっかり説明してあげて 彼女自身も納得していたらもしかして耐えられたのかもしれません。でも、彼女に なんの説明もないまま、皆、宮さまとして扱い、中には宮さまじゃないと知っていて つらく当たる人もいたり、と聞いているだけで気が狂いそうです。

発狂してからは猿ぐつわを口にはめられ、両手両足をしばられて、ほとんどポイ捨て 状態。こんな扱いってあるのでしょうか。信じられません。
そして、フキの変わりにまた別の宇多絵という少女が身代わりになり、生涯を 身代わりとして過ごしたようです。宇多絵は両家の子女だったので、読み書き、学問 の素養があったようですが、それでも普通の幸せとは違う世界におかれ、自分の意思は全く 無視されて過ごした一生だと思います。

これは小説ですが、本当であったかもしれないし、と思うと読み終わった後、フキ の報われない霊が助けてーって回りで叫んでいるようで、背中がぞっとしました。

 「竜馬が行く(7)」  司馬遼太郎著  2000.11.?
長崎にいるお菊さんという当時では考えられないほど、やり手の女性がいたそうです。 商売する事をとことん考え、黒船が来たばかりの、海外に行くことなど当時は考えられない頃に 船に密航し上海までお茶のサンプルを持って出かけ、取引先を作り、日本に帰ってお茶の輸出を したのだそうです。それもお茶を集める分が足りなくて、お茶の取れるところに自分で行って かき集めて用意したのだとか。それが大当たりでものすごいおお金持ちになったそうです。
黒船に乗ろうとして、切腹になった人もいたというのに、凄い度胸です。それも女性で ここまでやるなんて。どんな時代でも、女性だからおとなしいわけではなく、芯のある 人はいたのだな、と元気がでました。

 「竜馬が行く(7)」  司馬遼太郎著  2000.11.15
幕府が倒れる寸前に、とんでもない計画が表面化で進んでいたそうです。これが 実現していたら今の日本はなかったかもしれません。

薩長と幕府が対立している時に、幕府はフランスと、多額の借金と軍艦を6隻を 借り、その代わり北海道全土を貸与する等の取引をしてすでに内諾も受けていたそうです。 フランスはベトナムなど、当時植民地を持っていましたが、どうもこのやり方を していたそうです。つまり、国の中心組織にお金を貸し、その代わり、と言って 国をフランスの植民地同然にしてしまう、というやり方。

勝海舟はこの計画を聞いて、「日本は滅びる」と思ったそうですが、きっとその通りでしょう。 もし、この計画が成立していたら、第二次大戦いや、第一次大戦よりももっと前に 日本がなくなっていたかもしれません。歴史って恐ろしい・・・。

 「竜馬が行く(6)」  司馬遼太郎著  2000.11.13
突然ですが、このページで読書中の本について読んだ事、思った事を書いていきます。

今はまっているのが、司馬遼太郎さんの「竜馬が行く」。かなり活発なところを読んでいます。
今日ショックだったのは、長州の饅頭屋が腹を切った事。
饅頭屋というのは、竜馬がつけたあだ名で、饅頭屋長次郎、姓は近藤、長崎に移ってからは「上杉宋次郎」と名前を変えていた人です。もともと饅頭屋の商人なのだけど、ものすごい勉強熱心で 蘭学から英語から色々に勉強し、将来は外国に留学したい、と思っていた人です。交渉事も強くて、船の買い付けやピストルを買い付けたり、と竜馬にも頼りにされていたのだけど、何かの功績の時に、藩に英国へ留学したい、と伝え勝手に留学の準備を整えてしまったのです。それは内密に事を進めていたのだけど、他の同士にそれがみつかってしまいます。饅頭屋の留学は同士への裏切り的な勝手な行動だと、指摘され、裏切ったものは腹を切る、という規則の元、とうとう誰の介錯もないまま腹を十字に切り、それでも息があったので、自分で頚動脈を掻っ切って息を引き取ったそうです。

この時、竜馬が饅頭屋の側にいなかったので、こんな事になったけれど、あれだけ饅頭屋を頼りにしていたから、近くにいたら、英国に留学して大きな功績を残したのじゃないか、とすごく残念です。

同じ、留学をしている身で、この部分を読んだ時、地下鉄の中だったけど、なんとも言えない気持ちになりました。留学する事が彼の場合、他のみんなに迷惑をかけているのなら、私だって同じじゃないか、と。でも、私は責められて死ななければいけない状態には特に立たされていない。留学の準備が整っていて、実は乗るはずの船が天候のせいで乗れなくて彼はみんなに責められるタイミングになってしまったのだけど、後は船に乗るだけであんなに行きたかった悲願の留学を出来たのに、腹を自分で切るなんて、どんなにつらかったでしょうね。改めて、私は幸せな時代の幸せな環境にいるのだ、と感じました。彼の留学が実現していたら、個人的な留学の、日本でいちばん最初の留学生になっていた事でしょう。

長崎の寺町皓台寺というところに埋葬されて、竜馬が「梅花書屋居士之墓(ばいかしょおくこじのはか)」と墓石が立つ前に名づけて書いてあげたらしいです。いつか、お参りしたいと思いました。