ザナドゥ シナリオII

日本ファルコム アクションRPG PC-88/98など旧機種


Xanadu scenario ][ :The Resurrection of Dragon

☆少しの改良で、難易度倍増

 「ザナドゥ」は、難易度こそそれなりに高いものの、実際にはかなりよく出来たパズルゲームみたいなものでした。つまり、コツがわかってくればゲームも進めやすくなる、という感じです。
 その「ザナドゥ」のシステムを少し改良して、追加シナリオのような形式で出したのが、この「ザナドゥ シナリオII」(以下シナリオII)です。
 その改良は、本当にちょっとした改良なのですが、その効果は絶大なものという、改良のいい見本です。
 どこがどのように改良されたかと言いますと……

・戦闘中でもアイテムの効果の時間カウントが進行する
 これによって、前作ではアワーグラスやデーモンズリングが有効「過ぎた」面があったのが改善されました。また、これによってアイテムの無駄使いが前作ほどはしにくいようになっています。
 ちなみにFOODの消費は前作のまま(当然戦闘中に自然回復はしません)。あくまでアイテムの効果持続時間だけが戦闘中もリアルタイムになっているだけです。

・坂、逆さツララの追加
 これはフィールド(外世界)に追加された仕掛けで、基本的には「簡単に後戻り出来ない」ように配置されているのが多いようです。つまり、フィールドの中がいくつかの区域で分断されるようになっている訳です。
 また、逆さツララは持っているアイテムなどの量でもダメージが変化するので、下手にアイテムを持ちすぎると、操作に失敗した時にとても痛い思いをします。

・塔は塔とつながるようになった
 前作「ザナドゥ」では、基本的に塔と迷宮の出入り口は1対1の関係でした。つまり1つの塔には1つの迷宮という訳です(迷宮自体は隣り合っているので、マントルで塔から塔を移動する事は可能)。
 ところが、シナリオIIでは1つの迷宮の出入り口が1つだけではなく、複数になりました。つまり今回は「塔から塔」、もしくは「ある地域から別の地域」の移動が基本になっているのです。
 もちろん、ランダムで移動している訳ではなく出入り口と塔の対応は決まっているので、逆に言えば覚えてしまえば行動するのがかなりラクになります。というか、これによる移動を前提にした面もありますし……
 関連して、今回はマントルとマトックの効果が変更されている為、「塔から塔」への移動にマントルを使う事は出来なくなっています(塔の中の壁はマントルで抜けられない)。

・ワープが基本になった
 ワープ自体は前作「ザナドゥ」にもあるのですが、シナリオIIではさらに積極的にワープを配置し、ワープする場所を覚えなければ行かれない(出られない)フィールドもあります。前作ではどこでワープするのかがわかりにくかったのですが、シナリオIIではワープする場所は「他とちょっと違う」背景を配置して、さりげなく目印を入れています(最初は気付きにくいが、慣れてくれれば簡単)。

・アイテム、武器などがそれぞれの店で値段が違う
 シナリオIIでは、店によって売る物も違うし、値段も違っています。
 これによって前作では「いきなりある程度強い武器を買って……」というプレイが出来たのが、シナリオIIでは普通に遊ぶ分にはやりにくくなっています(不可能な訳ではないが、アイテムショップを利用しない場合はまず無理)。
 また「値段が違う」という事は、店によって差額がある訳で、それを利用して商売も出来るようになっています。
 ちなみに、今回は武器などを売ってしまいたい場合でも、店が買い取ってくれるのは「その店でも扱っている物のみ」。つまり、どの店にも売ってない武器などを拾ってしまうと、結構痛い思いをする事もあるという……(先述のように逆さツララのダメージ源が増える訳ですから)

・前作では利用価値の低かったアイテムが変更された
 前作ではほとんど使い道がなかったアイテムのいくつかが、「Ladder(ハシゴ)」「Cross(十字架)」「Acid(酸)」「Silver-Rose(銀のバラ)」に変更され、それぞれに役割がきちんと割り振られました(詳細は後述)。

 他にもいくつか細かい違いはあるのですが、「ゲーム」自体の変化というとこんなところでしょうか。
 ゲームの基本システムはあくまでもザナドゥであり、ザナドゥが持つ要素をいくつか変化させた、というのが近いように思います。
 そして、これらはどう遊び方に影響を与えたか……

☆今度は(も?)マッピング重要!

 シナリオIIを遊ぶのにあたって、一番重要なのは何でしょうか?
 強い武器?数多いアイテム?いえいえ、実はもっと重要な事があります。
 それはマッピング。

 実は、今回のシナリオIIでは、前作以上に「面の中でのつながり」を把握する事の重要性が上がっているのです。
 これは、ワープや逆さツララ、坂によってフィールドがいくつかの地域に分断されているのもそうなのですが……実はそれぞれのフィールドは、いくつかの「ツボ」(当時は「北斗の拳」がブームだったので「秘孔」と読んでましたね)があり、そのツボは主に新アイテムをうまく使う事で移動が自由になります。
 逆に言えば、「この地域とこの地域はここに○○を置けば自由に行けるようになるんじゃないか?」と気付かなければいけないのですが、その為にはマップが必要になる訳です。もちろん攻略本のマップを見てもいいのですが、どこに何を置けばいいかは自分で考えなければいけないのが普通です(当時のファルコムの方針で、シナリオIIに関しては「バラしすぎない事」を徹底させられていた為……というかザナドゥの時がバラしすぎだったんだけど)。
 ただ、一度気付くと、その面の行動が劇的に簡単になるのがミソでした。これは前作にはなかった、シナリオIIならばでの面白さと言えるでしょう。
 ――もちろん、そこまでが結構大変なのは認めますが(苦笑)

 また、今度は塔の中の迷宮に、一方通行がかなり増えた事で、これまたある程度マッピングをする必要が出てきています。
 しかも今回は「初心者殺し」「中級者殺し」のうち「中級者殺し」として、この一方通行が利用されていて、うっかりひっかかるとかなりキツイ事になります。
 具体的に言いますと、ある程度冒険が進んだ頃に行けるようになる面の、ある塔にこの仕掛けがありまして……実はある程度奥に進むと、入り口に戻れなくなります(さすがに入り口からすぐに戻れない訳ではない)。つまり一方通行によって、少しずつ奥へ奥へと追いやられる訳ですね。
 そして、出口の直前にはボスキャラがいます。
 はい、もうおわかりでしょう。しかもボスがいる事に気付いた時には時既に遅し。前作と同じように、ボスキャラの時点でオートセーブされているので、ボスを倒せなければ……

 もちろん回避方法はあって……「かなり強くなるまではその塔には入らない」――身も蓋もないけど、実際それ以外に方法はないのです。つまり一度は引っ掛かかって覚えて、次のプレイに活かす以外にありません。
 もしくはセーブデータのバックアップを取っておく(これが一番確実)。実際このバックアップはマッピングと同様、シナリオIIにおいては一番やっておかなければいけない事と言えましょう。

☆「世界」とゲーム

 また、シナリオIIでは、先にも述べたように店によって売っている物が違うと書きましたが、もう少し詳しく書いておきましょう。
 シナリオIIのマニュアルには「ショップガイド」が収録されているのです。
 そして、店の名前を売っている物、そして「住所」が書いてあります。

 そう、ゲーム中ではあまり意識する事がない(というより出てこないし……)のですが、実は今回は「ザナドゥ」と違い、それぞれの面自体の名(地方名)、そしてその中にそれぞれ存在する地域の名前が設定されています。
 例えば、最初の面(Level1)は「MAPLE FORD」、Level2は「FILANE」……という具合にそれぞれのレベルはそれぞれの地名を持っています(ちなみに最後の面は「SHHANGRI-LA」)。
 そして、今回は単純にLelev1からLevel2と進むのではなく、Level4に相当する「GANDIC」に進むようになっています。もう少し説明すると、今回は1つの面に複数の面への通路が設定されている(中には一方通行もある)のです。
 その為、今回はレベルの数値と敵の強さは必ずしも一致しない事になっています(例えばLevel1とLevel4とLevel2の敵を比べると、順番は1→4→2の順に強くなっている)。
 ちなみに地名の調べ方は2通りあって、1つは攻略本(「ザナドゥ・データブックVol.2」や「チャレンジ!パソコンAVG&RPGII」)を見る事。他にシナリオIIの攻略をまとめた本を見ていないので断言は出来ませんが、少なくともこの2冊は地名を表示しています。
 もう1つは、先にも書いたショップガイドを読む事。そう、先に書いた「住所」は当然ですが「どの地方のどの地域にあります」という情報なのです。

 さらに突っ込んで説明しますと、それぞれの面はいくつかの地域に分断されているのはもう説明しましたね。そう、そういった地域ごとにも地名が設定されている訳です。
 つまりシナリオIIでは、ゲーム内に1つの世界をを丸ごと作ってしまったような作風になっているのです。こういう雰囲気を壊さない為か、今回はケープ(通路)によるレベルの移動の時には、「Level XX」の表示は出ません(Black OnyxやFire Crystalによる移動の際には出る)。
 余談ですが、この「世界」という雰囲気は、当時出ていた「ザナドゥ・データブック Vol.2」の作りを読むとより深く理解出来るようになっています――というのは、当時のファルコムのシナリオライターであった宮本恒之(シナリオIIの世界設定もこの人だったと思う)による、それぞれの地方の詳細な解説がなされていて、「攻略本」というよりは「ガイドブック」といった感じになっているのです。
 例えば「この地方にはxxxx地方とxxxxx地方からの行商人が往来する通路として使われているxxxxxxx地域がある。また、xxxxxxの辺りはかつては豪商人の館であったが、今は怪物どもの巣窟になってしまっているので近寄らないのが賢明だろう」といった具合に――
 そういう訳で、この本は普通の攻略本と同じような感覚で読もうとすると大変な事は大変なのですが、一度シナリオIIの「世界」を認識してしまうと、今度はこの方がわかりやすくなってしまうのです。
 しかも、面のデザインもこの説明を読むと「なるほど」とうなずくような作りになっていて、確かにゲームとしては陰険なデザインなのですが(苦笑)、その背景となる物語を理解すると「ああ、だからこういう作りなんだ」とうなずけるのです(でもやっぱ陰険だけどな(苦笑))。
 ただ、こういう作りはその後はほとんど出てきてないですね。やはりゲーム中で実際に出てこないとわかりにくいってのはあると思います。

☆難しいけど、易しくて、でも難しい?

 と、少し脱線しましたが……要するにシナリオIIは難しいのでしょうか、それとも易しいのでしょうか?
 答えは……「難しいけど、易しく、そして難しい」とでも言っておきましょうか。
 確かにシステムとしても難易度は上がっているし、その為コツを掴むのが大変なのは確かです。つまり序盤の入り口が狭くなっているのですね。
 しかしコツを掴んでしまうと、今度は一気にラクになる場面が非常に多いのも確かです。
 つまり、シナリオIIは前作「ザナドゥ」とは違う意味でパズル性が強くなっているようなもので、その為慣れるまでは投げ出してしまってもおかしくない内容になっている訳です。しかし慣れてしまえば今度はズブズブとハマるという――
 もちろんだからと言って必ずクリア出来る保証はないし(今回は本当に「ワナ」が非常に多いから……)、誰にでもお勧め出来る内容ではありません。
 ただ、前作とは違う意味での中毒性が強いのも確かですし、それが合う人にはとても合うんですけどね。

 なお、今までは、家庭用ゲーム機への移植や、Windowsでのリメイクなどがなかった事もあり遊ぶ機会が非常に限られていましたが、現在はProject EGGで「ザナドゥ 1・2セット」としてPC-88版の「ザナドゥ」及び「シナリオII」を遊ぶ事が出来るようになりました。
 ちなみにEGG版ではいわゆるXANACOPYによるバックアップは出来ませんが、セーブデータ自体は別ファイルで保存されているので、そのファイルをWindows上で別のフォルダにコピーして名前を変えて保存する事によって、いくらでもバックアップを取る方法があります。私の場合、EGG版でのプレイで、各Levelの移動ごとにバックアップファイルを作成し、これでハマりを回避していきました(もちろんクリアした)。実機ではなかなか出来ない(時間がかかるからね……)事なだけに、この点ではEGG版は嬉しいですね。

☆余談

 余談ですが、「シナリオII」は物語として見た場合、ゲーム中では全く語られる事はないとはいえ、マニュアルにも書いてあるようにそれなりの物語があります。それを簡単に書くと……
 「ザナドゥ」から数十年以上が経過した後の話であり、前作「ザナドゥ」でキングドラゴン=ガルシスは倒されたはずであったが、実はまだ生きている……という噂が流れ、その噂を証明するかのように再び魔物たちが現れ出てきたという事になっています。言ってみれば、「ザナドゥ」完結編に相当しますね(この事からも「シナリオII」なのでしょう)。
 さらに数少ないゲーム中でのメッセージ(というより碑文ですが)では、「ロマンシア」との関連がほのめかされています。もちろん「ロマンシア」は「ドラゴンスレイヤーJr.(実質「3」)」ですね。

 実は、シナリオIIも含め「ドラゴンスレイヤーシリーズ」は、出た当初こそ直接の関連性はなかった(基本的に「プログラマーの木屋氏が直接関わったシリーズの総称」という認識が一般的だった)のですが、「風の伝説ザナドゥ」の頃に、とりあえずそれぞれのシリーズの背景としてのつながりを設定されたようです(私は「風の伝説ザナドゥ」関連の設定はあまり知らないのですが)。その為、現在ではドラゴンスレイヤーシリーズは、年代の違いこそあれそれぞれのとりあえずのつながりを持っているようです。
 このつながりを解説したWebページはあるのですが、これはあくまで第三者が非公式にまとめたものであって、ファルコム自身による公式設定ではない事を念の為に書いておきます。
 →各作品のつながりを解説したWebページ「DRAGONSLAYER」
http://beoline.nobody.jp/ds/index.html
(Webサイト「ビオラインリード」の中のコンテンツの1つです。)

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うしとら
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