火災に遭うのは一生に一度あるか無いかの確率ですから、これに対応できるように初期消火要領等を教え込むのことは、「絵に描いた餅」だと言う主張があります。しかし私は、むしろ発生確率が低いだけに、万一を予想して訓練しておくことが災害防止につながる唯一の方法だと言えると思います。
人間は突発的に災害に遭遇するとパニックに陥りやすいものですから、これを防ぐためには平素からそれを予測して、消防訓練を反復し、疑似体験を積むことが重要なのです。
なお、消防訓練を行う場合は事前に消防署に、「自衛消防訓練届出書」を提出しておく必要があります。
火災を発見した場合の消防機関への119番通報、自衛消防隊・在館者への非常放送、隣接棟への連絡等を迅速的確に行うための訓練です。
消防機関への通報 いざというときに必要事項を要領よくしゃべるというのは、かなり難しいことですから、通報内容をあらかじめ文案にして適当な場所に貼り付けておく位の用心深さが必要です。
消防機関へ119番通報する場合は、次の内容を簡潔、明瞭に通報してください。
| 放送すべき場合 | 放送の項目 | 放送の内容(例) |
| 感知器が作動した場合 | 現場確認指示の放送 | 「ただいま○階○○で火災警報を受信しました。係員は直ちに異状の有無を確認してください。」なお、お客様は次の放送に十分注意してください。 |
| 確認の結果、火災でなかった場合 | 現場確認結果の放送 | 「お客様にお知らせします。現場確認の結果、火災ではありませんでした。」 |
| 火災が確認された場合 | 消火避難指示の放送 | 「お客様へお知らせします。ただいま○階○○で火災が発生しました。従業員の指示に従って避難してください。また、避難に際しましては、エスカレーターおよびエレベーターは使用しないでください。」「自衛消防隊へ連絡します。○階の消火班は直ちに消火作業に当たれ、避難誘導班は誘導は位置に着け。」 |
操作要領の習熟 過去の火災事例から消火器や屋内消火栓の「使い方を知らなかった」、「出火場所直近の屋内消火栓を使用せず、遠くの消火器を取りに行っている間に火勢が拡大した」というように、小火で消し止めるチャンスを逃してしまい火災を大きくしてしまった事例が多くあります。
自衛消防隊の隊員は、消火器や屋内消火栓の機能を熟知しておくことはもちろん、訓練を重ねて操作要領を体得しておく必要があります。
消火器訓練 まず、消火器共通の注意事項として、(1)事前点検を行うこと (2)かなりの重量があるので足下に落とさないように注意すること (3)使用に際しては安全栓を必ず抜くこと (4)ノズルをしっかりと火点に向けること、等に注意が必要です。
最も重要なことは、消火器の消火能力にあまり大きな期待を持っていつまでも消火器に固執することなく、消えないと思ったら素早く屋内消火栓に切り替えるということを頭の中にたたき込むことです。
避難器具訓練 火災の際に、避難階段、救助袋、避難はしご等の避難設備や避難器具の設置場所を把握していなかったり、その使用方法を知らなかったために、適切な避難誘導ができずに、大惨事を招いてしまったといった事例があります。平素から全従業員が知っておくことが重要なのです。
また、避難器具訓練の実施に当たっては、滑り降りてみるといった使用体験により、いざというときに正しく安全に使用するための操作技術を習得することが重要です。
避難訓練の進め方 一般的な事業所における避難訓練の進行方法を紹介すると次の通りになります。
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