ウエスト症候群(点頭てんかん)

点頭てんかんの場合、症候性、すなわち何らかの基礎疾患がある例が
圧倒的に多く、七〜八割を占めます。
残りは突発性か潜因性という事になりますが、点頭てんかんの場合、真の意味の
突発性は極めて少ないと考えられています。

背景に何か脳疾患がある、またはあると想像される場合は症候性点頭てんかんと
呼ばれます。もし、基礎疾患が背景に存在しない場合は非症候性ですが、
これには突発性と潜因性の二種類があります。
突発性とは、基礎疾患がなく、原因が全く不明と思われるものです。
これに対して、潜因性は現在の診断技術では証明できず、やむなく原因不明と
していますが種々の状況判断から、背景に何か基礎疾患が潜んでいる疑いが
あり、将来の技術の進歩によって基礎疾患が証明される確立が高いと推察される
場合を言います。

前記のような発作の出現に伴って、赤ちゃんの精神活動が鈍くなります。
顔の表情から笑いが消え、周囲に関心を示さず、おもちゃにも注目しなく
なります。
発達は多くの場合は退行し、予後も悪いといわれています。知的、運動面の
発達の遅れは免れない...事のようです。

点頭てんかんとは、乳児期に限ってみられるてんかんの一特殊型です。
(生後6ヵ月〜一歳位)
点頭てんかんでは、極めて独特の発作が起こります。
突然の物音に驚いて全身をビクッと震わせるのと近似した瞬間的なものから
肘を伸ばしたまま両上肢を肩から振り上げ、両下肢も膝を伸ばしたままで、
股関節で屈曲して腹に近づけるような動作を示すものまであります。
この、手足の動きの結果として、全身はエビのように腹部に向かって
丸く屈曲した形になります。
このような発作の動作は一〜二秒で終わり、すぐ普通の姿勢に戻ります。
一瞬のことですから見落とされることもしばしばです。
また、気付かれたとしても、物音に驚いたのではないか、癖の一つなどと
誤解されがちです。


しかし、この一〜二秒の前屈発作は、通常一回で終わることはなく、
十秒くらいの間隔で何回も繰り返して起こってきます。
三〜四回から、多いと数十回も連続して繰り返しますので、シリーズ形成
あるいは群発と呼ばれます。
一シリーズは延べ十数秒から数分も続きますので、この間に親は子どもの
動作が只事でないことに気づくようになります。
赤ちゃんは発作のたびに短くうなり、あるいは泣いたりします。
寝つきの時や目覚めの際に起きやすいのですが、その他の時にも起こります。
発作頻度は多く、毎日二〜十シリーズ起こり、発作を生じない日はありません。

治療について・・・

特に主な方法です。

★ビタミンB6の経口投与
0〜30mg/kgを3〜4日投与し、その後40〜50mg/kgを4〜7日投与します。
必要量を数回に分けて与えますが、続けることで嘔吐や肝機能障害が出現することがあります。

 ★抗けいれん剤経口投与
第1選択バルプロ酸(商品名デパケン、セレニカR、ハイセレニン、バレリン等)の
経口投与。

align=left>第2選択ベンゾジアゼピン系薬剤 クロナゼパム、ニトラゼパムがよく使用される。 
クロナゼパム (商品名ランドセン、リボトリール)の経口投与。

★ ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)療法 
入院治療により、朝1回の筋肉注射を連日2週間、1日おきに2週間、週に2回を2週間、
週に1回を2週間と合計8週間続ける方法が用いられています。

発症してから1〜2ヶ月以内にこの療法を行うことで多くは発作が消失するそうですが、
再発や他の発作が出現する場合もあります。
この治療により、一時的な自己免疫力の低下があり感染症にかかりやすい、血圧
上昇、肥満、不機嫌、睡眠寸断、むくみ、肝機能障害、など認められます。療法中は
注意深い観察と定期的な血液検査などが必要です。

以上の説明は1999年に発行された「点頭てんかんガイドブック」を
参考にしたものです。
また、改正された箇所もあるかも知れません。
あくまでも、「参考」にとどめて頂きたいと思います。
また、不備な点がありましたら、遠慮なく、連絡を頂けると
有難く思っています。
どうぞ、宜しくお願い致します。