制定居合の在処
about official arts
正式には全日本剣道連盟制定居合の在処です。
全12本の内訳は、
です。感想は少しずつ……。
制定居合は、要するにオフィシャルルールです。
だから基本的には全国どこでも通じます。
ただ、完全に人工の業というわけでもなくて、
主として無双直伝栄進流と夢想神伝流から取ったそうです。
たとえば一本目の<前>なんか、神伝流の初発刀とほぼ同じですし。
礼法(刀礼)にも、その片鱗が見られます。
どちらかに統一してくれれば良いのに、お互い譲らなかったのか、
始まりは神伝流、終わりは直伝というふうに違うのです。
もう少し仲良くしようよ(笑)。
前
制定居合、一本目。
今までで抜いた回数は最大です。数えたことはありませんが、間違いありません。
高校三年間で、二千は確実でしょう。
師匠から、すべての業の基礎だからとひたすら抜かされました。
ある意味、一番難しい業です。
古流(神伝流のほうです)を抜き始めてから、抜き方を変えました。
具体的には足の使い方です。抜きつけのとき、左右の足をバラバラに動かす、という。
これがほかの座業にも応用できたので、非常に役立っています。特に二本目には。
あとは、大学に入ったあと、切り下ろしのときに体を安定させる方法を教わりました。
でも、抜いたあと「完璧だ」と言えることがいまだにそう多くありません。やはり難しい。
最近になってようやく、ほかの業に応用できる(共通している)部分がぼんやりと見えてきましたけれど。
後
感想が二転三転しました。今でもしています。
要するに回転するだけなのですが、これがどうも……。
簡単かと思えば難しく、無理だと思っているとあっさりできたり。
足の使い方なんでしょうが、どうなのかな。
あまり抜きたくない業ですね、これ。
受け流し
なぜか割と好きな部類に入ります。制定の中では、最高レベルの難度があるのですが。
制定居合の自主練習は、特に気になる業がない限り、一本目ひたすら→三本目ひたすらというルーティン。
これをスムーズにできて太刀筋も完璧なら、自分の実力を誇っても良いのかな、と思ったり。
とはいえ、これも抜き方がころころ変わる業です。かなり混乱させられます。
受け流しに抜くときはまあ良いでしょう。あれはそうそう変わるとは思えません。
問題は切るときで、手と足のタイミングが人によって微妙に違うのですよね。
まあ、「この人が言っているから大丈夫」という高段者がいるのでまだ良いですが。
なお、その人と三本目の組太刀をしたら、完璧に躱されました。
柄当て
得意業です。少なくとも自分ではそう思っています。思い込み……だったら悲しいな。
正確には、最初のころからそこそこ得意で、途中で師匠から抜き方を変えさせられて、
それをマスタするまでは、全然抜けなくなりました。鞘を危うく割りそうになったことも。
今は目付けさえ成功すれば、業そのものもほぼ成功するようになりました。
大学に入って、K先生から上手く体を起こす方法を教えてもらったこともあるでしょう。
左右の膝を内に絞るようにという教えです。イメージとしてはバネ。
実はこの起こし方、日常でも胡坐から立つときに使えます。実際に使っています(笑)。
袈裟切り
示現流から採用したと思われる業です。それだけに癖がある。
初心者のうちは、三本目と同じくらいにやりにくい業でしょう。
今でも、そんなに得意だとか好きだとか言えません。できれば抜きたくない。
でも好きな人は好きなんですよね、なぜか(笑)。
確かにインパクトがあるので、見栄えはすると思います。
八双の構えなんかもあって、出血大サービス(意味不明)。
なお、新陰流の打止を憶えてからは、歩数を間違えるようになりました。
想定できる弊害ですが、どうにも対処しにくい。ううむ。
諸手突き
コンスタントに上手く抜ける業です。内容もそれなりに映えるので、試合向きと言えるでしょう。
あと、180度の方向転換があるので、初心者に教えるには適していると思います。もっとも、
受け流しに振りかぶるあたりは、上級者向けなのですけどね。僕もいまだにできているとは思えません。
この業は何が面白いといって、業名の諸手突きの部分はあまり指導されないところですね(笑)。
大抵、前述の方向転換か受け流しにふりかぶるところか、最初の抜きつけを言われるだけで、
突きそのものについてはあまり言われたことがありません。周りの人もそれほど指導されていない様子。
なのになぜ名前が諸手突きなのか……。謎ですねえ(笑)。
三方切り
その名のとおり3方向(左右と前)を切る業です。抜き打ちがとどめになる、制定では唯一の業。
これも諸手突きと同じで、受け流しに振りかぶるところが難しいです。あとは足の位置。
右への抜き打ちのあと、足の踏み替えを行わず左を向いて切り下ろすので、そのときの足の位置を考えないと、
抜き打ちのときにどこに右足を踏み込めば良いか分からないのです。もちろん、逆に言えば、
左を切るときの足の位置を先に決めておいて、そのまま回転した位置に踏み込めば良いのですが、
なかなか分からないようですね。というか僕自身、そう指導された記憶がありません。
高段者も「もうちょっと前」とかそういう言い方をするだけですし。なぜでしょうね。
ちなみに、見るべきところが似ているので、大会のとき諸手突きとこれを続けて抜くのは好ましくないらしいです。
顔面当て
座業と立業という違いはあるものの、柄当てと似た部分の多い業です。
まず、正面の敵を柄頭による打撃で封じる点、後ろの敵を片手突きする点など。抜き方も似ています。
最初のうちは、腰の回転を使った抜き方と突き方を集中して教わりました。
抜き方は割と早い段階でできた思いますが、突きが形になったのは今年に入ってからくらいですね。
とはいえ、この業でもっとも難しいのは突きのあとの振りかぶりかもしれません。
慣れないうちは、敵に刺さったはずの切っ先があらぬ方向を向いてしまい、大きなマイナスになるからです。
片手突きのあと、体捌きと同時に振りかぶるのは重心制御がなかなか難しく、ときどき失敗もあります。
添え手突き
伯耆流からの業だそうです。内容は文字どおり、手を添えて突くというもの。
左方向への攻撃ということで、珍しい印象を受けます。特に神伝流をやっていると。
でも、そういう意味では貴重な業です。というのも、帯刀した状態では基本的に左側が弱いからです。
刀は左腰に帯びるというルールなので、自分の左側(正確には4時から10時までの範囲)に対する動作は遅れるのです。
「向きを変える」というワンアクションが入るため、抜刀が必然的に遅くなります。
この業は引き身で抜きつけるので、向きを変えるときの隙をフォローしているのでしょう。
座業だと、きっと跳ぶのでしょうね(笑)。
この業の独特のところは、撞木足が許されていることと、血振りの角度です。
前者は、制定では七本目、十本目の残心と、この業の突きのときしか認められていません。
後者は九本目が唯一です。まあ、残心自体がかなり特殊なのですけど。
しかし、撞木足になると前足も囲ってしまうので、注意が必要です。
四方切り
その名のとおり四方にいる敵を切る業です。正確には、四方というより四隅になるのでしょうけれど。
最初は戸惑う業ですが、制定のほかの業をマスタしていくと、それほど難しくなくなります。
焦点となるのは、最後の敵を切るときかな。振り向き、脇構えになりながらという記述があるのですが、
そこの難易度がやや高めです。あとは最初の籠手打ちでしょうか。そのあとの突きも、慣れればさほどのことは。
ただ、移動半径が広めなので、試合ではあまり使いたくないですね。ラインオーバを警戒して。
そういえば、僕はかつてこの突きで、道着の袖を貫通させたことがあります。あれは怖かった(笑)。
総切り
神伝流奥伝の総捲(そうまくり)をベースにしたと思われる業。追い込み切りです。
送り足で前進しながら切るのですが、最初のうちは高さの調整が難しいです。
それができるようになると、今度は抜刀と四刀目の横一文字が壁になる。
前者はともかく、後者は足捌きが通常の切り下ろしと同じと知れば、
たいしたことはなくなるのですけれど、多くの人はどうもそれに気づけないようです。
僕も自力で見抜いたわけではなく、師匠に教わったので偉そうに言えませんが……。
試合映えする業ではあります。リスクさえ覚悟できれば使いたいですね。
抜き打ち
シンプルにして非常に難しい業です。剣道でいうすかし面。
抜き上げ、鞘引き、右手小指のかけ方、足の引きと踏み込みとそれに関する重心移動。
それぞれなんとなくやっていると失敗しますし、怪我するかもしれません。
以前、試合でこれを抜こうとしたとき、師匠から「度胸があるな」と言われました。
そのときは意味が分かりませんでしたが、今なら自分がどれだけ向こう見ずだったか理解できます。
いろんな意味で若かった(笑)。指定業でも滅多に出ないくらいです。
古武術の映像を観てから、最初の下がり方を変えました。
具体的には、蹴って飛ぶのではなく、膝を抜いて重心移動で下がるというように。
床を蹴ってしまうと、どうしても胸から引いてしまうような感じになりがちなのですが、
膝抜きを使った場合、腰から移動するので上半身が安定するのです。
もっとも、腰が少し落ちてしまうようなので、このやり方を貫くのであれば、改良が必要ですが。
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