ラブレター/下


 言うなり猛ダッシュで「お先っ!」と帰宅していくハボックに、目を
丸くしていたロイが、フゥと小さく吐息をつく。

「…これで奴の行動が少し大人しくなればいいのだが」

――ピンポーンッ
軽いドアチャイムの音が響いたのは、ロイがデザート代わりの甘口
ワインを、舐めるに近い呑み方をしていた時だった。
 誰だこんな時刻にと玄関を開けると、息を切らしたハボックが腰を
九十度に曲げた最敬礼で、そこにいた。
「あの…大佐っ これ書いて来ましたっ!!」

顔を合わせないよう、顔面を路面に落としたままのハボックは封筒
をロイへと、両手を掲げ渡す。
「ラブレターですっ! 俺のっ気持ちいっぱい込めてきました」

ロイが受け取るや、踵を返し猛ダッシュで走っていくハボックを唖然
と眺めていた、ロイはくすりと笑いを洩らした。

「…もう書いてきたのか 馬鹿な分 かわいい所もあるな」
ワインのつまみに丁度良いか、少し添削して内容によっては褒めて
やっても…などと思っていたロイは、シンプルな便箋を開いた瞬間
ワインを吹き出し便箋は液体塗れとなる。

『ロイ・マスタング大佐殿

あなたのその白い肌は超弩級にエロいと思います
そのエロさに誘われた俺は大佐を日頃こっそり視姦し
夜になると大佐を思って○○をしたくなる衝動がおさえられません

勿論大佐のエロさは白い肌だけじゃないと思います
その細い首筋も、無駄に発してる色気も俺が今まで知ってる誰より
ダントツで、××して△△して○△無理やりにでも□○したくなって
しまうほど色っぽいです

大佐の□△を○×する夢を俺は何度みたことか、数え切れません
その紅い唇を吸い上げ、滑らかな肌に俺の所有の痕を残し、×□
して△×○する日を、俺は待ち望んでいます

○△を××して、□○を□□して×○すれば、大佐の○□は濡れ
てきっとかわいく啼いてくれるでしょうね

ああ□×を△○したい――

以下似たような文が延々とつづくので 後略 
                             ジャン・ハボック』

 
*注 本文中不適当な言語は記号にて代替をしております

「な、なな…何を考えとるかーーーーーっっ!!!!」
二枚目に入る前に、その卑猥な内容に耐え切れなくなったロイが
手紙を細かく引き裂き、ゴミ箱へと投げ捨てる。
「フ……フフ…このような危険人間 上役として放っておけん!
…今すぐ燃してくるとするか」
手袋をつけたロイは、酔っ払った勢いと羞恥から来る怒りのまま
家を飛び出しハボック宅の玄関を、乱暴に叩き開けた。

「ハボッーーークッ!!! 開けろっ!」
すぐにでも着火できる体勢で、ハボックのアパートを訪れたロイは
ドアを開けたその瞬間、飛び出してきたハボックに抱きすくめられた。
「大佐っ! 嬉しいっス!!! 俺の思いうけとめてくれたんですねっ!」
「…え…」
「最後に書いときましたよね 大佐がもし俺をOKだとしてくれるなら
今晩俺の部屋に来て下さい 鍵もかけないでおきますって」

――そういえば、先程勢いで部屋に飛び込んだが…確かに鍵は
かかっていなかった。
「大佐…ああは書いたけど…本当に来てくれるとは思ってなくて…
俺すっげぇ嬉しいです 今晩は徹底的にご奉仕しますから!」
「いやっ ちがっ…」
「さ こんな物騒なモン外しちゃいましょ」
動揺している間に、ハボックがロイの両手を封じ込め俊敏にロイの
発火布を取り去り後方へと投げ捨てた。

「大佐…ちょっと酒入ってます…? 少し頬が紅くなっててどこから
かワインの香りがして…いつもに増してイロッぽいスね」

―それはお前が渡してきた手紙を読んで、勢い良く吹き出した名残
のせいだ。艶っぽいもなにもあるものか!

にこやかに、それでも圧倒的な力でのし掛かってくるハボックを説得
できる自信がないロイは、一歩後退りをした瞬間に壁際へと追い詰め
られていた。
「…たいさ…」
「いや待てっ! これは違うっ!!確かに手紙を読んでここに来たの
だがっ…そうじゃなくて……!!」

必死の形相で抗っているロイが、食べられてしまうのは時間の問題
のようであった。


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勿論ハボはロイの中身も大好きですっていうか基本そっちに惹かれてますが、思いをありの
ままに綴れという条件で書いたら煩悩の方がつっぱしった為の内容となってしまったということで