白旗掲揚


自らをお買い得と称するハボックの言い分は、確かに
もっともではあるが、だからといってこちらまで流される訳には
いかないので、ここは一つ一つを論破して、諦めさせてみようと思う。
 
 まず自分の選択から外している第一の理由が、同性である
からなのだが…ハボック自身の責任でない部分を理由にするのは、
やはり気が引ける。

…もっとも、ハボックが女性であった場合、こうまで親しくなれたかも、
疑問では有る。
 ワイルドでざっかけのない性格は変わりなく、心許せる存在にはなった
であろうが、少なくとも仕事帰りに、私邸に寄らせて料理をさせたり
洗濯をさせたりでは、充分諮問会議沙汰だ。

 ……そう考えると、私の現在のハボックへの態度は
やはり甘えになるのだろうか…。

 何やら私の予期せぬ方向へ、思考が進みそうなので
この問題はひとまずおいて置こう。

 …それから私より身長が大きいのが、少し気に食わん。
デカい図体で横に並ばれると、見下ろされる位置に視線があると
いうのはやはり男の矜持的に、面白くない。
 しかしこれもハボック自身の咎ではないし、…それにたまにあいつが
ジャレついてきて、ぎゅっと抱き締められる温かさは……嫌いじゃない。
 
 自分とそう年も変わらぬ男が、抱きついてきたりなどしたら、鳥肌立つと
同時即座に裏拳を急所に叩き込むぐらいの、素地はある筈なのに…
ハボックはあの人懐こさで、容易に私の懐へ飛び込んでくる。

 あの蒼い瞳は素直に綺麗だと思うし、一見硬そうに見える
金髪は触れるとふわふわで触り心地悪くなくて……
……そうだ 煙草っ!!
私は煙草が嫌いだ。煙いし食事を不味くするし健康を損なう。
何よりヤニ臭いキスをする羽目になるなぞ、断固ごめんだ。
 それにこれなら、正々堂々とハボックの咎であるから口にできる。

 意気揚揚とした心持で、その事を告げてやれば
「大佐 過去タバコ吸ってる女性とも付き合ってましたよね」
とあっさり返し、ハボックは聞き流している。
 それでは次の理由を、と考えて逸らす私の視線を捕えようと、
ハボックは大きな両掌で私の頬を挟み顔を寄せた。

「大佐 そんだけ一生懸命俺を嫌う理由を探さなきゃいけない事自体
俺を好きなんだって言ってるも同然ですよ もう諦めて下さい」


「…お前の言う事に一理なくもないから、検討してやらんでもない」
そう告げてやったら、ハボックは声を立てて笑いながら
「よろしくお願いします…やっぱ大佐のそういうトコ好きですよ」
とウィンクを寄越した。
 
 
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年下押せ押せハボに負けたロイ。 元々西洋での戦争のやり取りで白旗→降参の意味と
しており、日本はペリーが来た時に開国すると認めたら降参の白旗揚げろといって来たのが
s白旗=負けとする由来