気付けるか/オマケ6-1
(黒ハボに告白したらバージョンです)


 (気のいいハボックの事だ、本心では同性に好意を告白されるなど内心生理的
嫌悪感に見舞われても、率直に口には出せず、私が都合よく淡い誤解をして
しまうかもしれない)
 そう考えたロイは、あえて任務終了直後のハボック…こちらも彼の一面
なのだろうが、猛々しく人当たりのキツいジャクリーンの状態でいる時を
見計らい思いを告げることにした。
ジャクリーンと呼ばれている時のハボックであれば、妙な気遣いなどなく今後
も一時だけの気まずさを我慢すれば、今と変らぬ位置には居られるだろうの
ロイなりの計算だ。

 動じていないのか、それともそれを表に出していないだけか。
表面は涼しい顔を装いながら、思いを口にしたロイは掌にかいた冷たい汗を
感じながら、自分の思いを断ち切る最後通牒となるであろう、ハボックの言葉
が告げられるのを待ち構えていた。

「…アンタが俺を…ねぇ…」
 言外に信じられないの意味を詰められたハボックの返答だが、その表情は
面白がるように唇の片端が上げられている。
「…とか言われても?普段の言動や態度見てる限りだと信じられねェっての
が本音なんですけど…からかうなら他当たってくれませんかね」
「か…からかうつもりなら こんな成功率の低い方法を取るものか!」
反射的に叫んだロイに、ハボックは吹き出し喉奥で低く笑った。

「そりゃ御尤も 失礼いたしました、サー」
「…うるさい 謝意の篭もらぬ口先だけの侘びなどより とっとと早く私を
フッたらいいだろう!」
「いきなり告白してきたと思えば なんスかその結論の強要は」
「私とて男だ キッパリふられて気持ち悪いとでもいわれたらきちんと引き
退がる決意ぐらいできている なのにお前が茶化すから悪いんだ とっとと
早くスッパリ男らしく答を出したまえ!」
「…別に気持ち悪くなんかないっスよ」
「よしっ!了承した 私も私なりのプライドがある 今後今のことをぐずぐず
と引きずってお前に迷惑をかけたり 蒸し返して絡んだりといった事は一切
せず……………え……?」
「あ、良かったきちんと聞こえてたんスね マジどこまで暴走するかなって
思ってたんスけど…今俺フリーだし大佐見てると飽きねェから面白そうだし…
試しに付き合ってみましょうか」

 余裕ある表情で、自分を見下ろしてくるハボックにロイは小さく息を呑む。
「おっ、おお、おまっ…お前…落ち着けハボック…お前は今混乱で何を言って
いるか解らなくなっているのだろう?そうだな そうに違いない」
「…落ち着いてないのは大佐の方っスよ 自分でなに無茶苦茶言ってんだか
理解してます?」
「だっておかしいではないか お前は自他とも認める女好きでしかも重要視
されるのは胸の大きさだった筈だ…足や腰の細さや締まった感じとでも言う
のならば私とて努力をすればなんとかなったかもしれんが 胸ではどうしよう
もないと諦めていて当然だろう」

 真剣な表情で反論するロイに、ハボックの面白がる顔は崩れず、それ所か
ましてその行動が興味深いと、笑みがいっそう深く刻まれた。


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続きます