キレイな目

「大佐の目ってキレイっスね」
何気なく振り返ったハボックの言葉に、ロイは少し首を傾げた。

「綺麗というのならば お前のようなブルーアイズの方がよほどだと世間
は言うと思うが」
 マジマジと、少し自分より高い位置にあるハボックの双眸を見返すロイ
に、ハボックは苦笑で応える。

「色とかそんなんじゃなくて…そうやって臆すことない顔で真っ直ぐに俺
の目を見詰め返すところとか 迷いがない所っていうか」
「私だって迷いや悩みは多々あるぞ」
「知ってますよ それでも揺るがない瞳をしてるから凄いって…その黒い
目をキレイだなあって思ったんです」
 見詰め合う双眸から視線を外さぬままの、ゆったりとした微笑のハボック
にロイの頬は、微かに紅く染まった。

「く、黒い目というが人間の虹彩はあくまでブラウン系で私の目だって
真近で見れば濃茶だぞ」
「へ?そうなんスか…あー本当だ 目の一番真ん中の所とその周りで微妙
に色が違うんだ」
 節だった長い指で、ロイの顎を軽く持ち上げたハボックの顔が近寄り
確かめるように覗き込む。
「ハボック!…そのっ…人前で誤解を与えかねない行動は慎みたまえ」

ますます上気しそうな頬を、見られてたまるかとばかりハボックの体を
掌で懸命に引き剥がそうとするロイに、ハボックはまた楽しそうに笑いを
重ねた。
「そんな拾われた仔猫みたいな反応しないで下さいよ そんな真似しなく
ても大佐は充分可愛いですから」
「だ、だだ誰が猫の真似なんかするかっ!…って違うっ!かわいいとか訳の
解らん言動は慎めっ」
「いやいや普通にその反応 かわいいっスよ」
 

 真っ赤になったロイと、更にわざと顔を寄せて耳朶に触れる程度の
キスを落とし、クスクス笑うハボックの図という光景を、目にさせられる
破目になった同僚および部下一同の声『お前等イチャつくなら ヨソでやれ』
は、二人の世界にいる当人達に届くことはなかった。

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単なるイチャイチャ話 (多分)今までで一番短い文になっちゃってすみません
普段 余裕あるハボックってあまり書けないのでちょっと楽しかったです