不意打ちな本音/2


  さて、ここで問題です。
大佐が俺に相対するときは、本音そのままと語ってくれましたが
…夜はどうなのだろうと興味を持ってしまうのは、下世話なサガ
と言われようと…本心な訳で。

 キツく冷たい「やめろ」は、まあ本心だろうとすぐに解る。
…大抵なにか他の事を大佐がしているときに、俺が邪魔した時に
言われる口調…あれ、これって犬がお行儀悪くした時に叱る口振り
に似ていた気もするけれど…多分、気のせいだよな、うん。

 それでもそのまま、体重のっけて背中にかまってと圧し掛かれば
「重い ウザい 暑苦しい鬱陶しい邪魔するな」
と、容赦ない蹴りが入るのは…やっぱり躾が入ってたのかな、
まあその場合のほとんどが、大佐が錬金術関係の本や、過去の
事件についての調査票などを読んでいる時で、…俺に解らない
世界を見てる大佐に、寂しく思っての仕業だから、…確かに
ウザいだろうし、俺が悪いのだから仕方がない。

 判断に困るのは、涙目で鼻に掛かった甘い声の「ヤダ」
ひょっとしたら真剣に抵抗しているのかもしれないけれど、そんな
時の大佐はもう全身グニャグニャに蕩けてて、普段ちょっと
凛とした印象を与える眼差しが、濡れて半ば伏せられてるせいで
見ているだけでコチラを酔わせるぐらい、とてつもなく胸を
騒がせる顔での「ヤダ」

…もし本心だったら心から申し訳なく、反省するのだけれど、
あの顔見てあの流れであの状態で、どうやったって止まれる
筈が無く…、えーっとそれ以上の行為をやめるとは誓えない
けれど、突っ走らないようセーブするよう自制を懸ける努力は
頑張ります、嫌われたくないし。
 精一杯のあらがいで、俺の髪を掴んでいる男にしちゃ細い
指先は、引き剥がしたいのか縋りつきたいのか、弱々しく
震えていて、これも拒否かそうでないのか判断付かないし…
って駄目だ、記憶を反芻すればするほど勝手に頬が緩んでくるぞ。
 そろそろ気を引き締めないと、ミラー越しに窺える大佐の
不審顔が確信的なものに変ってしまう。

 俺の計画としては、薬がいつまで効いてくれるか不明だから
なるべく早くにコトに及ばせて戴きたい訳で…勿論、その後の
フォローや手伝いきっちりしますし、お怒り御尤もと全て
受け止める覚悟はしてます。

普段、絶対聞かせてくれねェ本音…こんなチャンス逃せない。
すっかり送り狼モードの俺は、大佐に企み悟られぬよう、真面目な
顔でハンドル握りなおした。


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ちょっと(?)ほのぼのじゃない