特効薬


  「ね大佐…コッチだって…触って欲しいって震えてるじゃないっスか まだ俺
何もしてないのに」
 半勃ちになっている、ロイの肉芯をピンと弾くと、ロイの唇は噛み締められた。
「俺を追い出した後一人であんあん言いながら指しゃぶって自分慰めて
後ろに指でもツッコムつもりだった?大佐ってばエロいなあ…」
 くちゅくちゅと猥らな水音を、わざと響かせハボックはロイの蜜が出る部分に、
擽るような刺激を与え続ける。 
「…ん…あっ…あっ…やだ…ハボック…もうや…」
直接快楽を与えられないもどかしさに、ロイが腰をくゆらせると、ハボックの
笑みは深まった。

「やだ?それって手を止めちゃやだって意味っスよね こんなにココから
涎ダラダラこぼして…ほら…かわいいこっちの入口も汁まみれになってる」
 解放されぬ熱で、硬みを保ったままのロイの昂ぶりに指を走らせ、
双丘奥の蕾の周囲を、指で撫でるハボックは滴る蜜をそのまま肉壁に
馴染ませ、ゆっくりと長い指を侵入させていった。
 爪先まで突っ張らせたロイが、潤んだ瞳でハボックを引き剥がそうと背中に
爪を立てるが、それもすでに抱き寄せているのと大差がない動きだった。
 いつもなら解されていく手順と同時、緊張が溶けていくのに薬のせいで
昂ぶった躰は、ゆっくりとしか与えられぬ動きがもどかしくて仕方なく、
ロイの血を騒がせ、快楽だけが脳を支配していく。
 自分を満たす何かが欲しい――足りないものを求め、体中が疼く。

 こんなに理性的でなく、見苦しいのは自分ではないと思っても、熱は煽られる
ばかりで涙と、よがる吐息がとめられずロイは悲鳴にも似た嗚咽を洩らした。
「うっ…ふ…ぅ……ハボ…やっ…もうやだっ…」
「ね大佐…言って…?やだじゃない言葉」
「な、なにを…言えば……」
 泣きじゃくるロイは、心頼みは今のハボックだけだとばかり、朦朧とハボックの
言葉に従う。
「気持ち良いって 俺に抱いて欲しいって――今なら薬のせいにできますから
いいでしょう?」
 ロイの乳首を、わざと音立てて吸い上げたハボックが、優しく低い声で促す。
「大佐…言ってください」
「ハ…ハボ…のを入れて……おね…がっ…」
「よくできました」

 薬のおかげで、全身が溶けそうなほど柔らかくなっていたロイの躰は
反りかえったハボックの剛直を容易に受け入れた。
 窄まった蕾は、抵抗なくハボック自身を納め湿った音を響かせる。
内壁を擦って、ロイが小さく息を吐いた場所を何度も狙うとロイから零れる蜜は
嵩を増していった。
「んっ…ハボ……気持ち…いい…」
「大佐…いつも思うんですけどアンタの体ってサイコー…」
 ようやく待ち望んでいた刺激に、ロイが唇を戦慄かせ、涙を零して
頭を振った。細い指先はシーツを掻き毟り、双丘へと割ってはいる
昂ぶりを、熱い肉襞は己の意思とは無関係に収縮し締め付け自分と
ハボックとを絶頂へと導く。
「あっ…ハボック…もっと…ふ…ぁ…」
 足を頭上近くにまで持ち上げられ、何度か抜き差しされる度ロイの嬌声は
甘みを増していった。

「ああっ……は……ぁ…ハボ…も…ぅ…」
「ん大佐…俺もイきますから…一緒に…」
「あっ…あんっ!」
 圧力を増したハボックの存在が、最奥を突くと同時、強すぎる快楽は
ロイの瞳から焦点を失わせその脳裏も熱で侵し、白濁を放出させた。


 すっかり髪を乱しきり、上気したロイの色気といったら例えようもない
程であったが、当人は一度正気を取り戻した後シーツに丸まりこんで
ハボックが何を語りかけても、答えようとしない。
 
「ねえ大佐ってば……いいですよ 答えてくれないなら俺の感想一人語り
してますから…すっげえかわいかったなー本当は気持ちよくてしょうがない
のに強情張ってヤダって言う大佐のピンクにおっ勃った……っとあっぶね」
「黙れ 黙れだまれーーーーっ!!!」
 顔を真っ赤に、枕やら時計やらを投げてくるロイはいつも通りで
薬の副作用はなさそうだとハボックを安堵させる反面、ちょっぴりガッカリ
させる。

「その元気なら大丈夫ですね …今日のことは忘れてあげますから
いつかアンタの本音で俺を欲しがってください」
 投げた品物ことごとく、ナイスキャッチされたロイは不服気に唇をへの字
に曲げたままだったが、それでもその頬はまだ紅いまま、ハボックの言葉
を聞いていた。