| 「今日も心の栄養 少尉の笑顔!」 「「「心の栄養 少尉の笑顔!」」」 「我らが励み 大佐の微笑み!」 「「「我らが励み 大佐の微笑み!」」」 部屋の前半後半に別れ、それぞれのスローガンを叫んだハボック 親衛隊とマスタング親衛隊共に非公認は、机を並べなおし合同会議 形式に座席を整え、それぞれが席についた。 それぞれが落ち着いたのを見計らい、進行役補佐が今回の資料と 称したレポートファイルをそれぞれの机に置いた。 「おおっ……」 「これは…撮影者グッジョブ!」 ペラペラと中身を捲っていた者達が、一斉に手を止めたのは『本日 の一枚』と銘された写真の載せられているページだった。 青空を背景に、黒のタンクトップで何故かヘアピンで前髪を留めて 満開の笑顔のハボックと、少し不本意そうにお揃いの花ヘアピンを おでこを半分出しました状態で、前髪に留められようとしているロイ の写真。 互いに目線を交わし親指だけを立てた拳を目前に掲げ、頷きあう 者達の口元は緩みまくっている。 「俺さぁ…口にはしなかったけど最初少尉と大佐をくっつけよう計画 には内心で反対してたんだよな 少尉にはもっと素直で可愛い系とか しっかりした心のお姉さん的存在の方がお似合いだろうって思ってた し 二人ともまだ自分の心に気付いてなかったみたいだったし」 写真を見ながら、ぽつりと呟いた男の言葉に、斜め前の席の男も 同意を示した。 「私も大佐には頭脳派と名高いタイプか 武人であるならば隙がない 張り詰めた雰囲気を持つ者こそふさわしいと思っていた…だが…」 「…少尉と一緒にいる時のマスタング大佐ってさー すんげぇ今迄と イメージ全然違ってて…なんていうか……かわいい…んだよな」 「あーわかる解る 俺マスタング大佐って鼻先でせせら哂うみたいな 顔か怒鳴ってる顔しかしねえのかと思ってたけど 少尉と一緒に居る 写真見てると…うん、何か少尉が大佐を護りたいって思う気持ちが 少し理解できたような…あ、いや勿論俺の心の栄養はおおらかで部下 思いで頼りがいの有るハボック少尉だってのは揺ぎ無いんだけど!」 「…それなら大佐側の俺らも似たような意見です 大佐を護るという 立場なのにハボック少尉は平然と上官の前で煙草をふかし へらへら した印象…と思っていたのですが…少尉は大佐と二人きりで歩いて いると気取られぬようにではあっても 確実に警戒を怠っていないし 何よりあの目線の鋭さ…侠気溢れ男の色気というのが漂っていると いうか…あ、いや当然マスタング大佐が第一だという俺の気持ちに 偽りはまったくないのですが!」 「そう…だな私も当初はホークアイ中尉という信頼できる方が副官と して任命されているにもかかわらず なぜ大佐がハボック少尉を ご自身の護衛官を勤めさせているのか疑問に思っていたが…少尉が 身近にいるようになって 大佐は…ふと素の表情を見せて下さるよう になって…ああ大佐はこういう支えを必要とされていたのかと 何と なく納得したな」 「ホントはさ 大佐と少尉くっついてもすぐ別れねェかなって思って たんだけど…大佐といる少尉って俺らには見せてくれない色んな顔を 見せてくれて…毎日すごく楽しそうでいるみたいだし…応援したく なってきちゃってさ…それに大佐もこんな顔するんだなって思ったら お似合いかもなんて考えも湧いて来るようになったし」 ハボックとロイが写った写真を見たままの体勢でいる男が、誰に ともなく呟くと周囲幾つもの頭も、うんうんと頷き同意を返した。 「そうなんだよなー 少尉といる時の大佐ってホント感情が素直に 顔に出てきてかわいいんだよなー 俺さこの前の作戦のとき『流しの 傘屋』って無理ある設定やっただろ?」 「ああ あの時は俺ら路地角から頑張れと全力で念じてはいたぞ… 無理あり過ぎるだろと思ってたのは否定はしねえけど」 「あの時『うわっタイミング良い所で傘ゲットできましたね!』って ニッコニコの少尉の後ろで 毛ェ逆立てた猫みたいな顔で警戒しま くってる大佐が居て… なんか身構えられてるのに和んだんだよな」 「少尉が大佐を背に庇っている時の様子は マスタング親衛隊の私も 威風堂々と見惚れたぞ」 互いが互いに慕う相手を褒めあった後、暫しの沈黙でハボック親衛隊 ・マスタング親衛隊の両者は見詰め合った。 「その…だな」 「ああ」 「俺ら今は共同会合と称してこうして会合を設けているが…正直少尉 の行動のほかマスタング大佐を 見守りたいと思うようになってきて いるんだけど…」 「我らもだ 少尉と一緒にいる時の大佐の様子と二人の微笑ましさ… もはや離れている二人を想像しがたい…ここはこれから共同ではなく 名前を変えて『ハボック少尉とマスタング大佐の行く末を見守り隊』 にしてはどうだろう」 「名案だなっ!」 和気藹々と握手などをしはじめた大方の人間に対し、一部涙目な者 や無言で震えている者達も居た。 その者達の肩を抱いて、こっそり裏組織『二人が別れたら別れたで 少尉・大佐を慰めつつ後釜を狙い隊』の発足と勧誘があったのはここ だけの話である。 **************** 続きでハボロイ親衛隊に進化をとのお言葉を頂いたので(笑) |