「ミケランジェロ」 宝塚花組公演 2001年 7月22日 

 行って来ました。宝塚大劇場花組公演「ミケランジェロ」愛華みれ退団公演(長い ^^;)。お席は1階12列の上手。かなり隅っこでしたが、眼鏡さえかければオペラグラスなしでOKの場所でした。旅行会社の貸し切り公演のバスツアーで当日まで席がわからなくて覚悟をしていたのですが、思ったより(というか、けっこういい席)でラッキーでした。
 やっぱり、いいわ〜、宝塚。始まった瞬間に完全にトリップ状態。久々に舞台の世界に浸りきりました。話の筋が粗かろうが、理不尽だろうが、なんだろうが、とにかく力ずくで浸らせてくれる宝塚がわたしは大好きさ(笑)。

 オープニング、白ずくめの衣裳の郡舞の中、赤いマントの愛華みれが登場したとたん、心の中で「きゃー」と叫んでおりました(^^;)。この時点ですでに、これから何が起ころうが許す気分にさせてしまうところがスゴイ。こういう色彩のマジックがいいのよね。
 今回はわたしの大好きなコスチュームプレイで、マントひらひら、ドレスひらひらでした。一介の芸術家のミケランジェロがどうしてあんなに立派なお召し物を?という疑問も力ずくで押さえ込み(^^;)、素敵な世界を構築しておりました。
 話としては、芸術家ミケランジェロの燃え尽きることのない情熱を通して人間賛歌を謳った話とやらで、なかなか面白かったです。何も無理矢理恋愛ものをくっつけなくも…という気もしたけれど、そこはそれ、やっぱり「愛、アモ〜レ♪」と歌うからには愛もなくてはね。とはいえ、最後にコンテッシーナ(大鳥れい)が死んでしまったのはやりすぎだと思うけど。
 この作品、女性軍の描かれ方が不自然な気がします。話を進めるためのセリフ・感情のような印象を受ける。男にというより、脚本に都合のいい女って奴ですね(笑 いや、同じ女としてあんまり笑い事でもないような気もするけれど)。主な登場人物で唯一自然だと思ったのは、法王の娘ルクレチア。親のいいなりに何度も結婚を繰り返す女の自嘲的な態度にだけは違和感をませんでした。

 専科からは樹里咲穂も出演。嬉しかったわ。じつは専科に移ったことを知らなくて、今回のメンバーを見て知ったのでした。樹里ちゃんを見るのも2年ぶりだけど、なんだか貫禄がついたような気がする。演じるメンドリーニは義賊なのだけど、いい味を出してました。死に方が突拍子もないような気もしたけれど、伴奏なしの彼女の歌に免じて許しましょう(笑)。
 愛華みれ退団公演ということで、なんとなくそれっぽい感じでした。大島れいとの絡みも少なかったし、ラストも他のメンバーが舞台上にいるのに対して、愛華みれだけは脇に消えていくし。

 今回、主題が愛よりより芸術だったので、いつもよりものめり込みやすかったのかもしれません。コンテッシーナが愛を語っているのに、最後にはまた一人で芸術の世界に飛んでいってしまうミケランジェロにはつい共感してしまう(笑)。他にも何かと小説と重ねてしまいましたわ。
 が、その分見ていて痛いところも多かった。
 特に天才芸術家に囲まれた平凡な(?)芸術家ジュリアーノが痛い。自分の才能の限界を知っていて道化を演じる姿はみていてしんどいものがあります。その点、ラファエロはもう少し自信がある。ミケランジェロの作品を見て「自分も」と思い、その後「なんて身の程知らずだったのか」と素直に思えるんだもの。せめて、このぐらいの自信と実力が欲しいものだわ。
 ジュリアーノの死の場面、恋人のクラリーチェの腕の中で死なず、彼の死を知らないクラリーチェが戦火の音におびえてジュアーノを求めて泣き叫ぶというのは名場面。ここはうまいな〜と思います。