

最後は堀田さんのイグチ科のキノコでした。イグチ科のキノコはいつ見ても見栄えのするものが多く、それらウツロベニハナイグチやブドウニガイグチ、オオキノボリイグチなどに加え、ヒメヌメリイグチ、ナガエノウラベニイグチなど、これまで出会うことのなった種の紹介や、クリイロイグチモドキ、クリイロニガイイグチ、クリカワヤシャイグチのように、よく似た形状のキノコの見分け方についての解説がありました。また、今年4月の勉強会では、堀田さんの「イグチ類のキノコ入門」がありますのでお楽しみに。
去年出会った多様なキノコを堪能
講師 キノコ入門講座スタッフ
1月の勉強会 参加30名 方南会館(1月28日)
昨年は、東日本大震災という未曾有の災害に見舞われ、これに原発事故が加わり事態をさらに複雑にいたしました。特に、放射線がキノコにあたえる影響については、私たちキノコ愛好者にとって深刻な問題で、キノコ入門講座おいては、今後も関心をもって活動していきたいと考えております。しかし、そのような不安な気持ちで過ごした1年ではありましたが、キノコ入門講座には多くの受講生の皆様が集い、キノコを探求し、キノコを楽しむ姿が見られました。このような一年を振り返る「去年のキノコ」では、キノコ入門講座の観察会を中心に、昨年出会ったキノコを各担当スタッフが画像とともに解説しました。受講された皆さんは、それらのキノコの特徴を再確認するとともに、今年のキノコにおおいに期待を膨らませておられました。また、休憩時間には、新年恒例の長命寺の桜餅がサービスがあり、楽しいキノコ情報交換の時間を持ちました。
池田さんからはテングタケ科についての解説がありました。テングタケ科のキノコは、きのこの特徴が明瞭で、マクロ観察に適しており、特に初心者のかたには、その観察法と分類法を知るうえで都合のよいキノコです。傘の条線の有無、外被膜の肉質、内被膜の有無と肉質などを手がかりにしたテングタケ科のキノコの観察法や、有毒と美味しいものが混在するテングタケ科で、紛らわしい種の見分けかたなどが解説されました。また、真藤さんから、最近話題のフクロツルタケにつての解説が加わりました。


多様なキノコとの出会いを楽しんだ一年を振り返り、今年はさらに多くのキノコとの出会いを期待させる勉強会でした。
ウスキテングタケとキタマゴタケ。この紛らわしいキノコ2種をどう見分けますか
サケツバタケのアルビノ型

はじめに、大舘さんから、キノコ入門講座の昨年1年間の活動の紹介があり、続いて担当のチャワンタケ類、キクラゲ類、腹菌類のキノコの解説がありました。昨年は、はじめて出会った種が多くあり、それらと似た、これまでもよく見られている種を比較しながらの紹介でした。
倒木上によく見られるチャコブタケ
柄のあるのが特徴のツボミタケ
土井さんからは、サルノコシカケ類の解説がありました。分子系統学の進展により、キノコの分類も大きく変わりつつあります。特にサルノコシカケ類は、従来肉が軟質のハラタケ類とは、上位分類群では別なグループとされていましたが、新しい分類体系では同レベルの扱いになるなど、その影響を多く受けることになっています。そのような分類の変更も含め、去年出会ったヒダナシタケ類のキノコについて解説されました。


ヒダナシタケ目からハラタケ目へ移動になったサガリハリタケ
タマチョレイタケ科からツガサルノコシカケ科へ移動になったマスタケ


飯田さんからはフウセンタケ属の解説がありました。フウセンタケ属のキノコは、毎年富士山でたくさんの種と出会いますが、これまでその同定に難渋してきました。しかし、近年キノコ入門講座では、飯田さんを中心にした研究の成果により、徐々にではありますが、解明が進みつつあります。そのような成果も含め、内容の濃い、それでいていつもながらの楽しい解説でした。
青みを帯びないニセマンジュウガサ
柄の青みが強いフウセンタケモドキ
木原さんからはハラタケ科、ヒトヨタケ科、オキナタケ科、モエギタケ科など、ハラタケ類の腐生菌を中心にした解説がありありました。最近正式発表のあったハゴロモイタチタケやサケツバタケのアルビノなど、珍しいキノコの紹介もありました。



いつも美しい姿のウツロベニハナイグチ

まだ学名のないナガエノウラベニイグチ