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04月03日

八十窪→1霊山寺→JR板東駅 40km


逆打ち

宿を出て、県道をひたすら直進した。ひょっとすると今日が今まででいちばん、頭を空っぽにしてただ歩いていた日だったかもしれない。

切幡寺の下に着いた。ここから逆打ちに入る。遍路の姿が目に入る。まわり始めたばかりなのだろう、白衣がとても白い。輪袈裟にビニールがかかったままの若い男性もいた。「逆打ちですか?」「いえ、お礼参りです」「ぼく、今日からなんですよ」

逆打ちは、たくさんの遍路に会えると誰かが言っていた。確かにたくさんいる。向こうから歩いてくるから、顔も姿もよく見える。

とはいえ、逆打ちはしんどい。道しるべが見えないし、前の人についていくこともできないのだ。逆打ちは順打ち3回分の功徳だとか、お大師様に会えるとか、そんなふうに言われるのもうなずける。

霊山寺

4時半ごろに電車があるはずだ、と思い、途中の駅で確認して、それからは少し時間を気にしながらひたすら歩いた。一回完全に道に迷って泣きそうになったけれどなんとかコースに戻った。

そして霊山寺に参拝した。お礼参りのページに印をもらった。はじめてこの寺に参拝したときの遍路名簿はなかったので、名簿に新たに名を記した。「お大師様には会えましたか」「ええ、いっぱい助けていただきました」

白衣のまま駅へと歩いた。初めて来たときにはずいぶん遠く感じたはずなのに、今はこんなに近い。お礼参りは本来の遍路風俗ではないと言う人もいるけれど、こうやって歩き始めに見た風景をもう一回見て感慨にふけるのは決して悪くないと思った。

電車に乗り、終電ぎりぎりの在来線で帰宅した。


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