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03月26日

栄屋旅館→60横峰寺→61香園寺→62宝寿寺→ビジネス旅館小松(愛媛県周桑郡小松町)29km


横峰登山

60横峰寺は山の上にある。標高約800メートル。舗装路で標高約200メートルの地点まで登るので、山道で水平距離約3キロ、垂直距離約600メートルを登ることになる。

実をいうと宿から登山口までの舗装路のほうが長く感じた。3時間かけて十数キロ歩く。「四国のみち」看板の示す残りキロ数がなかなか減ってくれない。W氏と共に、たまに言葉を交わしつつ基本的に黙々と歩いた。

登山口に、「単独登山は避けましょう」などと、本格的な注意書きがしてあり、少し怖くなった。でも、入ってみればたいしたことはない。きちんと階段もついている。息は切れても、身の危険さえなければ気楽である。

横峰寺まで0.6キロ、の地点で、W氏に先に行ってもらうことにした。彼は山歩き経験者であり、山道になると速い。W氏と別れてからは、我ながら情けないほどゆっくりとしか、歩けなくなった。

横峰寺にて

「前に進む気がありさえすれば、いつかは着きます」五九楽館のトクナガ氏が言っていた。なんとか、60横峰寺に着いた。 南無不動明王と書いたのぼりが数多く立っていたので、本尊は不動明王かと思いきや、大日如来であった。あののぼりたちは何だったのだろう。

本堂は、これぞ寺のあるべき姿、もしくはあってほしい姿、と思うような、上品でしっかりした、木造の本堂だった。やはり、寺は木造がいい。白木だとなおよい。コンクリート作りだと、なんだか、本尊を入れるための倉庫のように見えてしまう。靴を脱いで本堂に上がり、お経を唱えた。

一休みしようかな、と思ったけれど、人は多いし雨は降りそうだしで、先を急ぐことにした。この後、下山に信じられないほどの時間がかかったので、ここで先を急いだのは、正解だったと思う。

これってお寺なんですか

9.3キロのなだらかな山道ををなんと3時間半かけて降り、61香園寺に着いた。境内の桜が満開である。 さて、寺はどこだ?前方には、コンサートホールのような、大きくて四角い建物がある。本堂だった。「新興宗教の建物かと思ったよね」というのは、この日同宿だったおじさんのセリフである。

なんだか釈然としない気持ちで手を合わせる。納経所に向かう途中、本堂の2階へと上がることのできる階段が見えた。せっかくだから、と登る。

中はまさにコンサートホールであった。押さえ気味の照明の下、中央に本尊の大日如来、その右側に大師の廟がある。そしてそれをとりかこむように、椅子席がずらっと配置されている。団体さんが、座ってお経をあげていた。今一つ緊張感がない。

大日如来が、なんだか機械仕掛のように見えた。いつか芸でも始めるのではなかろうかと、眺めていた。


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