淡々としていなくもない日常>>遍路日記目次>>3月7日

03月07日

26金剛頂寺→27神峯寺→浜吉屋旅館(高知県安芸郡)36km


朝のお勤め初体験

昨晩は26金剛長寺の宿坊に泊まったので、朝はお勤めから始まった。寺には数回泊まったけれど、何やかやで結局、この朝が唯一のお勤めであった。

お経を上げたり真言を唱えたり、基本的には、日々お参りの際にやっていることと変わりはない。ただし、般若心経は、日頃マイペースで唱えているだけに、あわせるのが難しかった。バスで来る団体のお遍路さんたちが、きれいに唱和しているのは、やはり練習の賜物に違いない、と確信した。

お勤めというからにはやはり板の間に正座である。正座が苦手な私としては、30分でもかなりつらかった。同宿の女性に、下腿をクロスさせて思いっきり踏みつけると立てるようになるよ、と教わり、そのとおりにしてみるとなるほど立つことができた。私にしてはずいぶんな快挙である。

朝ご飯をしっかりいただき、7:00に出発した。

旅は道連れ、ですかねえ

宿まで、T氏と共に歩いた。

私が、宿についてから27神峯寺まで往復するつもりだと告げると、ならばペースを上げようと、曰く時速4.2キロメートルくらいの速度で歩いていく。私はついていくのに必死だった。「もういいですから、置いて行ってください」と頼もうと、何度か真剣に考えた。いろいろ話しかけられても生返事、まともに返事をする体力・気力ともになく、ひたすら歩いた。

そのうちに、だんだんイライラしてきて、一人になりたくなった。話しかけられるのがうっとうしい。我ながら自分勝手な話である。単に体力が限界に達していただけかもしれない。極限状態における最大の罪は体力がないことであると、どこかで読んだのを思い出した。

とはいいつつ、14時過ぎに宿に着いたのは、どう考えてもT氏のおかげである。感謝すべきであろう。

真っ縦って、どこのことですか

宿に着いて荷物を置き、一人で神峯寺に登った。下から見上げると、え、あそこまで行けと?という高さおよび距離である。

27神峯寺に至る遍路道は、「真っ縦」と呼ばれている。手元の案内書によると、勾配45度1.3キロメートルの急坂であるらしい。高所恐怖症の私としては、戦々恐々であった。

しかし、実際登ってみると、ほとんどが舗装路であり、それをショートカットするようにところどころ遍路道がついているだけであった。「真っ縦」ってどこからだろう、と思っているうちに山門に着いてしまった。

27神峯寺は眺めのよいお寺だった。青空ともっと蒼い海と緑の木々。来てよかったなあとしみじみ思った。本堂も凛としていて、ご本尊の十一面観音がきらきらしていた。「ここまでくることができました。ありがとうございます。」合掌。


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