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03月04日

03月04日 日和佐YH→大安食堂(徳島県海部町)29km


最御崎寺はまだまだ遠い

23薬王寺から24最御崎寺までは、最短コースをたどっても76.7キロメートルもある。当然1日では着かない。2日半かけて歩くことにした。筋肉痛も疲れもひどくて、気が重い。

6:40にユースを出発したのに、7時過ぎに近くの宿を出たというO氏にあっさり抜かされた。脚が慣れてきたころなのだろう、すぐに見えなくなった。競争しているつもりはないけれどちょっと悔しい。

9時頃、座り込んで休憩していると、のんびり歩いているT氏にも追いつかれる。あまりにしんどいので一緒に歩くことにした。のんびり歩いているはずのT氏のほうが、必死で歩く私よりも速い。なんとかついていき、ペースを保つ。

今日は、いろいろ話してくれるのをとてもありがたく感じた。基本的に聞いているだけでよかったので楽だった。適宜休憩を入れてくれるのも助かった。

一人になってからが長かった

20キロほど進むと、番外札所の鯖大師がある。T氏はそこに泊まるということだったのでその後8キロほど、一人で歩いた。ここからが長かった。ペースも落ちた。時速3キロを下回っていたのではないかと思う。

筋肉痛はさっぱりよくならないどころかますますひどくなった。筋の形が実感できるような痛み方である。

右股関節が、痛みはしないものの他動的にしか屈曲できない。痛くないだけにかえって不安を感じるも、まあいずれ治るだろうと強引に自分を納得させる。しばらくの間、道が平坦なのが、まだしもの救いである。この状態では、とても山など登れない。宿の階段すら昇りづらい。

今日同宿となった元トライアスロン選手のおじさんによると、ストレッチが大事なのだそうだ。ほうっておくと、脚の疲れはたまる一方であると諭された。余暇のすべてをストレッチに当てたところ、少しは楽になった。

それが煩悩だよ、キミ

今日、この民宿には私ともう一人、元トライアスロン選手のおじさんしか泊まっていない。夕ごはんは差し向かいでいただくことになった。

このおじさんはすでに歩き遍路3回目であるそうだ。自分がいかに丈夫か、いかに要領がいいか、酒が入っているせいか自慢げに話す。苦手なタイプだ。歩き遍路をしたからといって、即立派なひとになる、というもんでもないみたいだなあと、失礼なことを考えつつ聴いていた。

明日は一部電車を使う、というので、えっ、全部歩くんじゃないんですか、と言うと、キミは全部歩くということにこだわっている、そういうこだわりを煩悩というんだ、キミは四国に、煩悩を捨てに来たんだろう、と言われてしまった。

そのとおりですね、とは答えたけれども。私は四国に、煩悩を捨てに来たんだろうか。そういえば煩悩という言葉を、使わなくなってずいぶんになる。


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