Dragon 1/72
大戦期の日本戦車らしさが凝縮された車両です
良くも悪くも、ですが(笑)



 軽戦車ファン・へなちょこ戦車ファンとしてはやっぱりはずせないのが皇軍車両なのですが、これまで1/72では真空地帯だったんですよね。そこへ登場したのがこの95式軽戦車でありますよ。リリースの報を受けて部屋で小躍りして妻にしかられるほど喜んだものです、なにはともあれ。

 ところがですね、ドラゴンのミニスケときたらどうにも設計やディテールの再現になおざり感が否めず、技術はあるのに愛がない。そして...やっぱりこの95式もそんなちょいと残念な雰囲気のキットなのでした。間違いなく良くできてはいるんですけどね。

 東欧のとろけ系よりはもちろん高水準なのに、なぜこんなに文句言われなきゃなんないのか、ドラ関係者にはさっぱり理解できんのでしょうなぁ(笑)。

 粗方プロポーションの改修の済んだ状態(右)と素組みの比較の図。ところでこのキット、車体上部のモールドはどれも割とだらしないのに、車体下面のは無駄にシャープ(笑)。力の入れどころを間違ってます。
 車体前方の幅や砲塔の位置の違いがご覧いただけるかと。戦闘室上面の形状も微妙にいろいろ変わってます。ディテールに使用したプラシートもグレーなのであまり手が加わってるように見えない?

 いつもどおりまずはプロポーション改修から。主に車体前方部の幅や起動輪の位置、フェンダーの高さ、砲塔の前後位置などをいじって、各装甲面も微妙に角度を変えたりしています。例によってわたしの主観でいじってますんで参考にはなりませんゼ。それらと合わせて各面の平面出しとエッジ立てをしておきます。

 ディテールはメリハリのあるところとダルいところが混在していて統一感がありません。ま、面修正でほとんど削っちゃいましたから、どのみち作り直しなんですけどね(笑)。機関室の2カ所のルーバーはプラシートで作り直し。機銃マウントは自作・複製したもの。ハッチやヒンジ、フェンダーステーなどはプラシートや伸ばしランナー。車体前方の星章はランナーからの削り出しです。

 この戦車でも印象的なリベット(ボルト、尖頭ボルトなども)は車体下面や他キットなどから移植。溶接痕は伸ばしランナーで控えめに表現してあります。

 気になりだすと気になって仕方ない足周りでは、ボギーと一体成形の転輪を分解、整形、複製しています。この転輪、一体成形なのはそれほど気にしないんですが、どうもゴム部の厚みが足りなくて雰囲気が違うなーと思ったもので。転輪と一緒にディテールアップしたボギーも複製して使用。

 ワンピース成形の誘導輪は、ガイドの溝が浅く幅が広いので、一度溝部分で切り離し整形、スペーサーを挟んで再接着。起動輪はリベット状のモールドがやや煩い感じがしたので削除・省略して使用しています。

 

 全体の雰囲気ができあがって、あとはひたすらちまちま作るのみ、の図。とはいえまだまだこの段階では忘れているディテールがそこら中にあって、ここからが意外と長かったりもします。
 作ってみるとなかなか変化に富んだ凝った造形の車両だとわかります。のちのチハたんなどにも受け継がれていく設計思想がそこかしこに垣間見られるのも面白いなぁ。

 あとはさらにちまちまとディテールを。スコップやジャッキあたりはちょっと手が加わっているだけで随分精密感が増します。雑具箱は面が歪んでいたりエッジが死んでたりするのを直すとキリッと締まります。排気管はボルト類がごっそり省略されているのを追加すると格好良くなります。

 排気管のカバーにはPEパーツが付属しているのですが、網の目が粗くて好きになれなかったので、この枠だけ利用してハセガワの汎用メッシュで作り替えました。固定には瞬間接着剤を使っています。

 車体の各ハッチにあるニギリはモールドを削るときに丁寧に切り取っておいたものを整形して使用。ライトはレンズ部分をくりぬいてあり、塗装後に銀色に塗ってからクリアーのエポキシ接着剤でレンズを入れます。基部と支柱は自作しました。

 塗装は初期日本陸軍の黄帯つき迷彩に挑戦したのですが、なかなか具体的なイメージが掴めずに完全に手探り状態のままスタート。茶色を基準に緑色、土地色の3色を薄く何度も塗り重ねながらパターンを決定して、終盤に黄帯を描き加えてさらに修正。なんとなく間違いではないが、正解でもないカンジ?(笑)

 さらに細部を塗り分けたあと、油彩の暗色を全体に塗りたくってから綿棒などで拭き取り、全体のトーンを揃えてディテールを浮かび上がらせました。いつものドライブラシの逆の発想ですね。基本色の色味はソレを計算して作っておく必要がありますが、今回はほぼ狙ったとーりの出来映えになりました。油彩は乾いて落ち着くまでに少し時間がかかるので、その間は作業を少し控えて、とくにホコリがつかないように気をつけましょう。

 最後に塗装しておいた履帯と機銃、排気管カバーをとりつけ。ドラのDS素材の履帯は流し込み系の接着剤にはどーも弱いよーなので、瞬接で固定しました。で、それらの塗装を車体となじませたら完成です。

(2012年3月完成)
 迷彩のパターンを決めながら徐々に塗り重ねているところです。色味はこのあとの油彩でのシャドー入れによる色づきを考慮して選んでいますが、この段階では「やっちまったか?」と何度も思いましたよ。