ACE 1/72
細部を見ればミリタリー要素満載なのに
プクッとしていてなんだかカワイイ


 イタリアの軽牽引車(Trattore Leggero)です。独特のボディの造形が印象的ですよね。それなりに成功した車両で、このシャシーを使った装甲車や工兵車両もよく知られています。ACEのキットはお馴染みのとろけ系なうえに省略が多めではありますが、ゴム製のタイヤとデキの良いホイールがポイント高いです。

 まずは車体の基本形。隙間なく歪みなく組むということの難しさを満喫できます(笑)。摺り合わせを繰り返して歪みも修正しながら組んだのですが、それでもやっぱり少し捻れてしまいました。
 ボディは全体にもっと丸みがあったほうが雰囲気が近くなるようにも思いましたが修正はパス。乗降口の形状が不揃いなのを直し、側面のフチどりモールドは幅や厚みが揃うように整形しました。
 エンジンフードまわりはラジエターやルーバー部分を中心にシャープに整形してシャキッと男前に。ラジエターのパターンは、PEのレザーソーで細かく卦がいたプラシートを短冊に切って並べ再現しました。
 キャビンの前方パーツと側面パーツは下のほうでつながるように直しました。運転席の前面パネルやその下にチラッと見える燃料タンクなどは、あっさりとディテールアップ。

 室内のレイアウトはプラの厚みの影響でバランスが悪くなっています。ボディの壁は薄く削り、前後の座席の仕切り板はプラ板で作り直し。前の座席は位置をやや中央寄りに移動させて肘掛けの幅を広く。後部中央の座席は両側の壁を削って拡幅。両脇の座席の座面下には箱を新造。クッションは全て作り直しました。このあたり、地味に大改修(笑)。

 リアデッキ上には小物入れのフタと、補強兼滑り止めとおぼしきディテールをプラシートと溶きパテで再現。ホントは後部座席の横や下などにも補強があるのですが、今回は省略しました。後部座席の足元にはデフのカバーにあたるバルジをプラ板で追加。

 

 足周りのお話。キットのまま組むと、ホイールとフェンダーとのクリアランスが小さく、またホイールがフェンダーからはみ出してしまうようです。シャシーと一体成形されたサスアームを一旦切り離し、スペーサーを入れて位置を下げました。前輪のアッパーアームと後輪の板バネの位置も下げてあります。車輪を取りつけるパーツの厚みは目一杯薄く加工。前輪のコイルスプリングは銅線で、ドライブシャフトは伸ばしランナーで作り替えました。

 前フェンダーの影にもルーバーを追加してみましたが...ホイールがつくとほとんど見えないですね(笑)。折角フェンダーの内側もキレイに整形したのに。

 ACEのキットは「ディテール再現の熱意はあるものの技術がついてこない」ことが多いのですが、このTL-37では「潔く省略する」という高等技術を覚えたようで(笑)、そのほうがかえって作りやすいのでありがたいです。
 今回の製作にあたって意外と活躍した資料が動画でした。エンジンの始動方法やクランクの収納法、エンジンフードの開閉から乗り降りするときの雰囲気など、模型に生かせるヒントが多くて助けられました。

 この車両で目を引くディテールのひとつがリアデッキのラックです。今回はこんなカンジでプラ材を組み合わせて再現してみました。思いついたので試してみただけなわりに精度も強度もそれなりに出たので気に入ってます。

 あとはちまちまディテールアップ。バンパーはキットのパーツを加工し、ラジエターガードは自作。ライトはジャンクパーツを加工して使用。風防のフレームは幅広に、背も高くして、少しだけ後方に傾斜するように直しました。

 前座席の後ろの物干し竿みたいなのは幌の骨です。後方の幌の骨ともども伸ばしランナーで自作。ライフル固定具や予備タイヤラックはプラ板からヒネりました。牽引ホルダーはキットのものを小改造。ナンバープレートとテールランプはそれらしく自作してみました。

 
 ソフトスキン好きとしてはもはやなくてはならないメーカーとなったACE。絶対苦労することが分かっているのに、それでも新作が出るとついつい買ってしまう。現在死蔵数No.1(爆)。
 久しぶりのがっつりツヤ消し塗装。熱帯仕様の車両なら塗装が灼けて、砂埃にまみれたカンジがしますね。熱帯ではありませんが、うちの車もだいたいこんなツヤ消しです(爆)。

 塗装はタミヤアクリル。オリーブ系の下地を筆塗りしてからごく薄くXF-60ダークイエローをエアブラシ。あとはひたすらXF-57バフとXF-60の混色をドライブラシしました。擦るとツヤが出てしまうので、筆先でつつくように色を重ねています。油彩でスミ入れをしてからさらにドライブラシ。風防とハンドル、乗降口のチェーンをとりつけて細部を塗り分け、ホイールを中心に少し汚して完成です。
(2013年12月完成)