ESO 1/72
軽戦車より小さい豆戦車
「豆」っていう日本語のセンスが好き



 戦車開発の草創期にあった第1次大戦後のヨーロッパにおいて、ひとつの流行になったのがイギリス・カーデンロイド系タンケッテ、いわゆる豆戦車です。今回はポーランド版豆戦車、TKSをやっつけます。

 キットはポーランドのESO製。黄色く成型されたスプルー2枚で構成されています。最初に目がいくのがいっぱいついてる細かいパーツ。なんだコリャ?よく見ると...もしかして履板ですか?!しかもプラがいきわたってないのもいっぱいあるですよ?履帯のほかにも極力薄く成型しようとした結果なんでしょうが、成型不良のパーツが多くて...しばし呆然。

 戦闘室あたりはどうにかTKSに見えますが、形状には少なからず不満があります。まぁ履帯以外の足周りはどうにか使えそうなので無駄金にはならずに済みそうですが...また苦労を買ってしまったようです。マイナー好きの宿命...。
 見づらい写真で申し訳ありません。このランナーの下のほーのが履帯パーツです。心意気は認めますが、ポーランドのメーカーは組み易さとかは考えてないんですかねぇ。

 今回もイメージ優先モデリングで、かわいいTKSを目指します。この戦闘室の三角が曲者でしてね、なかなかイメージ通りにならないモンですよ。ほんのちょっと削りすぎただけで印象が変わってしまいます。

 とりあえず履帯のことは忘れて車体の修正。

 戦闘室パーツは一体成型です。面構成がおかしいので、まずシルエットの修正のために下と後ろをプラ板で延長したら、いつもどおりカンを頼りに切った貼った削ったを繰り返し、エッジもシャープにしてイメージに近づけていきます。もともと大したモールドもありませんので、それはもう潔く(笑)。

 車台上部については戦闘室の載る位置が後ろすぎるうえに、車体幅にも問題アリなので、まずはそこらへんのアウトラインを修正。結果、フェンダーと骨格だけ残してあとはプラ板です。後部吸気口のルーバーはプラ板で作ったものをはめ込みました。

 車体下部は幅を1mmほど詰めて箱組みし、よくすり合わせてから上とドッキング。キットの本来の組み位置よりも下を若干後ろにずらしております。微妙なバランス。

 車体の形状修正がおわったらスジ彫りします。だいたいいつもプラ板のガイドを貼りつけておいて、ケガキ針でなぞるように彫っています。失敗したら瞬間接着剤で埋めてやり直し。車体が小さいので普段よりも意識して細く彫ってみました。

 その後、いよいよ楽しいリベット貼りです。今回は小さな面に多くのリベットをつけなくてはいけないので、いつもよりも少し小さめのリベットにしました。とはいっても例によってオーバーサイズなんですが、まぁチャームポイントですから。

 リベットが終わったらディテールを追加していきます。ペリスコープはキットのパーツとプラ板で。天井のハッチのヒンジやら開閉用のベルトなどもプラ材。戦闘室背面の吸気口(換気口?)のメッシュはPEです。
 当初天井のハッチは開けようと計画してましたが、内装を作るのが面倒になって閉じてしまいました...まぁハッチを開けておくとわたしの場合、遊んでる最中になくしてしまうという事情もあったりします。
 足周りパーツの大きさのバランスが微妙に気になる年頃ですが、ココをいじりはじめるとキットを買ったメリットがなくなるおそれもあり、あまり気にしないことにします。

 転輪とサスフレームは丁寧に組んでやればそれなりに格好よく仕上がります。車体のほうについている支持部をプラ材で作りなおしつつ、各パーツの取り付け位置などを若干いじりました。フレームにはリベットとリブを追加。

 誘導輪は実車写真を見るとスポークが8本なので、直径も大きくして作り直しました。起動輪にはボルトを追加し、薄く整形して使用。上部転輪のフレームにもディテールを追加しました。

 履帯は前述のとおりパーツの成型不良が多くてコマがかなり足りませんので、結局帯状の部分を複製してつなげました。特にディテールアップなどはしてません。やや幅広かとも思われますが、コレで充分でしょ。

 足周りに関連して、フェンダーのフチも成型がイマイチなのでプラ板で作り直してあります。前後端の形状も変更しました。

 さていよいよ工作も佳境です。機関砲は虫ピンをプラ材で加工したものです。ちょっと太かったかな?ハッチの把手は0.3mmの真鍮線ですが、コレも太いかな?車体4ヶ所のブタのしっぽ型フックは最初は真鍮線で作ったのですが思ったようにならず、伸ばしランナーで作りました。強度が心配ですが、塗装さえしてしまえば問題ない...ドライブラシには耐えられるかな?

 排気管は接続部と排気口をプラ材でそれっぽく追加して使用。予備転輪にはラックを追加しました。機銃架基部やスコップ類とその留め金、テールランプなどはプラ材から。ライトは写真を見るとついてないモノも多く、ないほうがこのキュートな体型がよくわかるのでキャンセルしました。

 ひととおりの工作が終わったらサフって仕上げ確認。今回は成形色が黄色で凹凸がわかりにくく仕上げに不安がありましたが、どーにかうまくいっていたようです。
 そろそろ基本工作が完了、なかなかのプロポーションになったんでないの?それにしてもつくづくこの黄色のプラは目に悪いッスよ。削り心地は悪くないんですけどね(笑)。
 ドライブラシによる3色迷彩はまだまだ研究中ですが、われながらなかなかの仕上がりかな、と。重量感や質感もだいたい狙ったとおりの表現に落ち着きました。例によって汚しは控えめ。

 塗装はバカのひとつ覚え、タミヤアクリルの筆塗り・ドライブラシ仕上げですが、今回は3色迷彩です。車体が小さいこともあり、また折角の工作が沈んでしまわないように、グリーンとブラウンはほんのり色づく程度にしておりますがいかがなモンでしょうか?その後エナメルで墨入れ、小物を塗り分けてできあがりです。

 やっぱりかわいいなぁ、TKS。それにしてもミニスケでまさかTKSのインジェクションキットを作れるとは思ってもみませんでした。デキの云々はともかく、もはやキットの存在だけでありがたいです、いやホント。これからも中小のキットメーカーさんたちには頑張っていただきたいものです。

(2006年9月完成)