Unimodels 1/72
ソビエト戦車草創期のヒット商品
ロシア名物・物量作戦のはじまり




 T-26はイギリスのビッカース6トンを親にもつソビエトの軽戦車で、相当な台数とバリエーションが生産されました。今回作るのは単砲塔の通称1933年型。使用するキットはウクライナのユニモデル(UM)製で、元はスキフの金型なのですが、ところどころ改修されています。

 さて、わたしにとって初めてのウクライナ産のキットなんですが、思ったよりパーツはまともです(失礼な)。組みやすいとまではいいませんが、パーツの合いはなかなか良好。全体の雰囲気も悪くないと思います。

 このT-26、実に多くのサブタイプが存在します。ディテールにこだわりだすと進まなくなりますから、あんまり深く考証はしないで突っ走ったほうが無難でしょうね(そして突っ走りそこねた男がここに...爆)。
 この画像はスキフのキットの仮組み状態。部分的に問題はあるものの、よく特徴をとらえた造型です。しかも車体は丁寧に組めばほとんど隙間はできません。歪みもなく好印象。
 大型アンテナやライト、ペリスコープの有無でも個性が出せますが、今回はあえて「プレーン」なカンジに仕上げました。防盾は両サイドのフチを伸ばしランナーで加工してそれらしく

 まずは砲塔から。バスル部分の高さと奥行きのバランスを改修するために、側面の上辺を約1mm削ってから天板を接着し、底面に1.2mmプラ板を貼って嵩上げ。バスルは天板に比べ幅がたりないのでプラシートで補正し、奥行きは後面にプラ板を貼りつけて2mmほど延長してあります。例によって雰囲気重視ですから数字はアテにしないでください(笑)。

 天板上はペリスコープやアンテナカバーを取りのぞき、前2箇所の吊り下げ用リングの位置を修正。ベンチレーターはエッジが立ちすぎているので角を落としてあります。側面はのぞき穴とピストルポートをつけて、リベットを貼りつけます。

 キットの防盾は溶接タイプと鋳造タイプの中間のような形状なので、ちまちまといじって溶接タイプらしく改造、取り付け位置はやや下に。45mm砲は短いので先端で延長、駐退器カバーも少し大きくしました。

 車体で気になったのがドライバーズハッチの幅と角度、車体前部下側の装甲の角度。それぞれプラ板でだいたいこんなモンかなってくらいに直しております。別パーツになっている戦闘室前面の装甲は使ってません。起動輪基部は側面をプラ板で作りなおし、ミラージュのT-26から削ぎ取った減速器周辺を貼りつけております。

 基本形ができたらスジボリの直し→ハッチのヒンジ→リベット→その他のパーツ...といった具合にディテールを追加していきます。車体のパネルラインやハッチの位置、リベットの数などは雰囲気でデフォルメ。車体はリベットが多めの初期のタイプにしてみました。
 
 フェンダーは前縁部を整形、前と後ろを薄くするなどしてます。リベットはややうるさい気がしたので削り取りました。ステーにはPEパーツが付属していますが、ややゴツいのでプラシートで作り直してます。
 全体に少しエッジがぬるいので、とくに戦闘室やフェンダーを中心にシャープに仕上げると軽戦車っぽさが増してくると思います。戦闘室後部などは一度エッジを大きく削り落としてからプラ板を貼って整形し直しています。
 こうして見るとボギーがやや大きめだったかな?とも思いますね。この鋼板とリベットで構成された車体の中にあって、このサスペンションのデザインだけがちょっと異色ですが、それもこの系列の戦車の魅力のひとつかと。
 
  続いて足周りです。転輪関係はイマイチ組立が面倒くさいわりに再現はもうひとつなんですが、基本形が良いのでいろいろいじって使ってます。全体として幅広なのが印象を悪くしているようです。転輪とボギー以外はミラージュから流用。凝ったデザインの起動輪と誘導輪はディテールが省略されてあっさりしているので手を加え、複製して使用しました。誘導輪の幅はもっと狭くするべきでしたね。

 そうやってできあがった車輪たちは履帯がフェンダーからはみださないように、できるだけ車体側に寄せて接着してやります。

 履帯はUMの別売りインジェクションパーツです。モールドは素晴らしいのですが、いかんせん繊細すぎて切り出せば折れるし接着すれば溶けるしで扱いが難しすぎです。もう少しプラの質を研究して柔らかめにしてもらえるといいかもですね。壊してしまったコマ分+αをレジンに置き換えて使っています。

 そのほか、機関室上のダクトは幅が狭いのでプラ板で広げ、格子状のカバーはPEメッシュで再現。マフラーは固定金具をプラシートで作りなおし、連結パイプを太く・短くしています。前後の牽引フックはミラージュのモノを削り込んで使用。車載工具類は、砲塔同様プレーン仕上げにするため省略、箱を左側にだけ装備しました。

 前照灯については、初期のリベットいっぱいの車体の頃は単純な固定方式だったようで、この作例のような組み合わせが存在したがどうかは不明ですが、やっぱり可倒式ランプカバーのほうが「いかにもT-26っぽい」ということで採用しています。フチを薄く削ったたカバーにジャンクパーツから見繕ったライトを入れてます。レンズには塗装後クリアーのエポキシ系接着剤を厚めに塗ってあります。
 これでだいたい工作は完了です。現場では工具類が載ってないなんてあり得ませんが、車体をリベットでコテコテにしたのでフェンダー上は逆にあっさりさせてみました。
 ロシアのどんより暗い空の下をイメージして、彩度を落としたカラーリングにしてみました。汚してないこともあって、なんだか博物館の展示車両のような仕上がりですね。

 あとはいつもどおり、サフって工作の仕上がりを確認したら塗装です。今回もタミヤのアクリル塗料でのドライブラシ仕上げ。平面の多いのっぺりした車体なので意図的に明暗をつけていますが、写真ではなかなかよく分かりませんね。履帯やマフラーを塗り分けたらエナメルで墨入れ、最後にもう一度ハイライトのドライブラシをしてできあがり。汚しはほとんどナシ、っていうかやってません。
 
 いやぁ、やっと完成ですよ。実になかなか面白いデザインの戦車であります。完成させたらまた好きになりました。

(2007年3月完成)