花粉が原因で起こる過敏症(アレルギー反応)で、遺伝的な体質に基づき生活環境にも影響されます。
花粉症の4大症状はくしゃみ・鼻みず・鼻づまり・眼のかゆみ。
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| くしゃみ | 鼻みず | 眼のかゆみ | のどのイガイガ |
主に、眼と鼻に症状がでます。鼻の症状は、くしゃみ・鼻みずが発作的にあらわれ、ついで鼻づまりが起こります。
眼の症状は、かゆみ・充血・涙目です。
また、花粉が大量に飛散すると、のどのかゆみや咳がでることもあります。
スギ花粉症の有病率は26.5%で、1998年の全国疫学調査結果16.2%に比べて10%も増加しています。栃木県は39.6%と全国平均26.5%に比べて13%も上回っており、山梨県の44.5%に次いで埼玉県とともに全国2位です( Progress in Medicine 2008;28(8):2001-2012)。最近は小中学生や幼児など、お子さんにも増えてきています。
2011年6月〜8月の気象条件、9月下旬のスギ雄花の着花状況から、2012年春の宇都宮の花粉飛散総数は8,300個で、昨年度(15,245個)の約半分、2010年(4,344個)の約2倍、過去10年間の平均値7,589個よりやや多めと予測されています。
| 【スギ・ヒノキ花粉総飛散数】 | |
| 2010年実測値 | |
| 2011年実測値 | |
| 2012年予測値(2011年9月現在) | |
| 過去10年間平均値 | |
(出典:NPO花粉情報協会)
2012年は早めに花粉対策をしましょう。
花粉症対策−症状の出かたは人によって異なります−
年が明けて1個でも花粉を観測した日を「初観測日」、花粉が2日以上連続して観測された初日を「飛散開始日」といいます。過敏症状の出かたは、鼻粘膜の感受性と反応性の強弱により違ってきます。鼻粘膜の感受性が強い人は、1月にすでに症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり・眼のかゆみ)が出ています。そうでない人は、飛散開始日以降に症状が出てきます。反応性が強い人は、一度症状が悪化するといつまでも続きます。
したがって、例年早く発症する方は、1月中旬頃から抗ヒスタミン薬の服用を開始します。遅く発症する方は、まだ症状が出ていなくても、飛散開始日を迎えたら服用を開始する。これが獨協医科大学名誉教授馬場廣太郎氏が提唱した初期療法です。ちなみに2010年、栃木県内では1月中旬に初観測され、2月中旬に飛散開始し、その1週間後に大量飛散しました。
2011年栃木県内では2月22日に壬生町と佐野市で、23日に宇都宮市、那須塩原市で飛散開始しました。
花粉症対策で最も有効とされる初期療法によって鼻粘膜の反応性の亢進を抑え、重症化を防ぐ効果があるようです。この鼻粘膜の反応性の亢進を最も効果的に抑えるには、花粉初観測後で飛散開始日前に症状が少しでもでた時点で、ステロイドの鼻噴霧、すなわち点鼻を開始して鼻粘膜のアレルギー性の炎症を鎮めておくことが最大のポイントです。そうすることによって症状が出てから治療した場合に比べて、症状の発現を遅らせ、楽に過ごせます。
リンゴ、メロン、モモなど果物を食べてのどがイガイガしたり、口が腫れたりした人はいませんか。これは口腔アレルギーの可能性があります。
スギより早く、ヒノキよりも長く飛散
ハンノキ花粉は1〜4月、シラカバ花粉は4月〜6月中旬まで飛散します。どちらもブナ科に属し、リンゴ・メロン・モモ・ヘーゼルナッツなどと抗原が似ているためかハンノキ感作例の約半数に口腔アレルギーを合併します。
春からずっと鼻炎症状が続いている人、あるいは春には症状がなかったのに、冷房をつける時節になるとくしゃみ・はなみずが発作的にでる方はいませんか。そんなあなたは夏の花粉症かもしれません。夏の花粉症といえばイネ科の花粉症が有名です。オオアワガエリ、カモガヤがイネ科花粉症の代表的な植物です。近所に草ボウボウの空き地がある方は要注意です。そういう環境にないのにこの時期にアレルギー様の症状が起こる方は、花粉が原因ではなく、カビやダニ・ハウスダストなどのアレルギー症状の可能性もあります。血液中の抗体検査をしてもらい、これらの原因が否定された場合は、非アレルギー性の鼻過敏症が疑われます。
アレルギーや耳鼻咽喉科専門医の診察・検査を受けて、適切な治療をされることをお勧めします。
花粉症は春先のスギ花粉症が主ですが、年間を通じて原因となる植物は40種類以上あります。
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スギ(早春〜春) 1月から4月にかけて猛威を振るいます |
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ヒノキ(春〜初夏) 3月から5月にかけて飛散します |
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カモガヤ(初夏〜夏) 4月から6月にかけて花粉を飛ばすイネ科の植物。夏は雑草の花粉が多く、スズメノテッポウ、オオアワガエリなどが原因となります。 高根沢町 情報の森空き地 2006.6 |
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ブタクサ(夏〜秋) 8月〜10月 |
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アキノキリンソウ 10月〜11月 高根沢町 情報の森空き地 2006.10 |
原因となる花粉を避けるとともに、生活環境因子(ストレス・睡眠不足・疲労など)を取り除くことが大切です
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| 花粉除去機能を備えた空気清浄機も有効 | 排気の出ない掃除機でこまめに掃除しよう | 外出時は防御メガネ、花粉用マスク、花粉が付きにくい衣服を着用 | 帰宅時はよくホコリを払ってから部屋に入ろう |
治療法の選択
| 花 粉 症 | ||
| 花粉症の薬物療法は、花粉症の特性に応じて工夫されています。 | ||
重症度に応じた花粉症に対する治療法の選択
| 重症度 | 初期療法 | 軽 症 | 中等症 | 重症・最重症 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 病 型 | くしゃみ・鼻水型 | 鼻づまり型 | くしゃみ・鼻水型 | 鼻づまり型 | ||
| 治 療 | @第2世代 抗ヒスタミン薬 A遊離抑制薬 BTh2サイトカイ ン阻害薬 C抗ロイコトリ エン薬 D抗トロンボキ サンA2阻害薬 @,A,B,C,Dの いづれか一つ |
@第2世代 抗ヒスタミン薬 A鼻噴霧用 ステロイド薬 @と点眼薬で治 療開始し、必要 によりAを追加 |
第2世代 抗ヒスタミン薬 + 鼻噴霧用 ステロイド薬 |
抗ロイコトリエン薬 + 鼻噴霧用 ステロイド薬 + 第2世代 抗ヒスタミン薬 |
鼻噴霧用 ステロイド薬 + 第2世代 抗ヒスタミン薬 |
鼻噴霧用 ステロイド薬 + 抗ロイコトリエン薬 + 第2世代 抗ヒスタミン薬 必要により点鼻 用血管収縮薬 鼻閉が強い時は 経口ステロイド |
| 点眼用抗ヒスタミン薬または遊離抑制薬 | 点眼用抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬 またはステロイド薬 |
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| 鼻づまり型で鼻腔形態異常では手術 | ||||||
| 特異的免疫療法 | ||||||
| 抗原除去・回避 | ||||||
(鼻アレルギー診療ガイドライン2009年版より改変)
重症度は1日のくしゃみと、はなをかむ回数、鼻づまりの程度の組み合わせで決めることになっています。
| 通年性アレルギー性鼻炎→鼻アレルギ−のペ−ジ参照 | |
| アレルギー性鼻炎治療薬(抜粋) |
| 第2世代抗ヒスタミン薬 | ザジテン®, アゼプチン®, セルテクト®, ゼスラン®, ニポラジン®, ダレン®, レミカット®, アレジオン®, エバステル®, ジルテック®, リボスチン®, タリオン®, アレグラ®, アレロック®, クラリチン® |
| ケミカルメディエーター遊離抑制薬 | インタール®, リザベン®, ソルファ®, アレギサール®, ペミラストン® |
| 抗ロイコトリエン薬 | オノン®, シングレア®, キプレス® |
| 抗トロンボキサンA2薬 | バイナス® |
| Th2サイトカイン阻害薬 | アイピーディー® |
| 鼻噴霧用ステロイド薬 | アルデシン®AQネーザル, リノコート®, フルナーゼ®, ナゾネックス® |
(鼻アレルギー診療ガイドライン2009)
| 薬剤の特徴 |
| 薬は“インペアード・パフォーマンス”を考えて |
薬を飲んだ後、知らないうちに集中力、判断力、作業能率が低下することをインペアード・パフォーマンスといいます。
鎮静性(眠け)の強い第1世代抗ヒスタミン薬は避けて、鎮静作用が少なく、効果の強い第2世代抗ヒスタミン薬がよいでしょう。図は各種抗ヒスタミン薬の脳内ヒスタミンH1受容体占拠率で、これが20%以下なら日常生活でインペアード・パフォーマンスへの影響はほとんどないといわれています。
図 各種抗ヒスタミン薬の脳内ヒスタミンH1受容体占拠率
〔Yanai K et al:Pharmacol Ther 113(1):1-15,2007より改変〕
※なお,ポララミンとステロイドの合剤がセレスタミンです
| 特異的免疫療法 |
ハウスダストやダニによる通年性アレルギー症状(重症)のある患者さんに対して、従来より”減感作療法”が行われています。これは血液中のアレルギー抗体を調べ、重症のアレルギー症状を引き起こしていると思われる抗体に対する抗原エキスを極低濃度から半年以上かけて皮下に注射していき、維持濃度に達したら、それを2〜3年以上継続して、その抗原によるアレルギー反応を抑制するという治療法です。その改善率は70%という報告があり、有効な治療法ではありますが、注射部位の痛み、かゆみ、赤く腫れたり、患者さんによっては喘息発作やアナフィラキシーショックを起こしたりと患者さんと医療者側の双方にストレスが多く、あまり一般的ではありませんでした。
現在、注射ではなく口腔内から投与する”舌下免疫療法”の準備が進んでいます。これなら痛くなく、副作用も少なく、何よりも自宅でできるというのはスギ花粉症の人にも朗報です。しかし問題点もあり専門家に伺うと、アレルギーの原因がスギ花粉のみならスギ花粉の舌下免疫療法は有効だが、同時にハウスダストのアレルギーもある人だと無効例もあるようです(スギ花粉症の人は大概ハウスダストやダニのアレルギーもある)。また皮下注射による減感作療法だと同時に2〜3か所の部位から3種以内の抗原エキスを同時投与できますが、舌下からは1種類しか投与できません。さらに口腔底が腫れたりすることもあります。
現在、至適投与量や方法、有効率を調べているところであり、舌下免疫療法が標準治療として登場するまでには、いくつかのクリアすべき課題があるようです。
妊婦さんの治療
妊娠中は、胎児に与える影響を考え、治療は慎重でなければなりません。妊娠4ヵ月の半ばまでは、原則として薬物を用いることは避けたほうが安全です。
| まず、温熱療法をこころみる。 | |||||||
| これは、42〜43℃に加温した蒸気を鼻から吸入することで、鼻づまりや不快感を緩和します。 | |||||||
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| 妊娠4ヵ月以後で、どうしても薬が必要な場合は | |||||||
| 漢方薬の内服や鼻噴霧用ケミカルメディエーター遊離抑制薬(インタール®など)、鼻噴霧用ステロイド薬など局所用薬を最少量で用います。 |
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