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米国映画『渚にて』(On the Beach, 1959)
この作品のセル及びレンタルDVDの情報は (TSUTAYA online)
⇒ http://www.tsutaya.co.jp/works/10013264.html
●豪州に移り住んだ英国の作家、ネヴィル・シュート(1899-1960)のロングセラー小説を原作にした米国映画『渚にて』(On the Beach, 1959)は、今から50年も前に作られました。ちなみに原作は1957年に発表され、邦訳は木下秀夫訳(文藝春秋新社刊)で1958年に、井上勇訳(創元SF文庫)で1965年に、山路勝之訳(篠崎書林刊)で1976年に出版されてきました。いま最も入手しやすいのは井上訳を引き継いだかたちの、佐藤龍雄訳『渚にて; 人類最後の日』(新訳版)、創元SF文庫、2009年です。
ビデオに関しては在庫数が少なく、セルでもレンタルでも入手しにくい状況が続いていました。そのような状況のなかで、TSUTAYAでは昨年から今年にかけて「発掘良品」というイベントを開催しています。淀川長治さんが天国から降りてきて、CMに参加しているのをご覧になった方もいるでしょう。その「発掘良品」の作品として『渚にて』も選ばれて、入手しやすい状況にあるのです。
このスタンリー・クレイマー監督の作品は米国映画で、主要キャストにはグレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー、フレッド・アステア、そしてアンソニー・パーキンスといったハリウッドの主要俳優が顔をそろえています。けれども、撮影はメルボルンで行われ、王室豪州海軍の協力も得て出来上がっています。また当時、しばらく停滞気味の豪州映画界からも豪州海軍提督役のジョン・テイトをはじめとして何人もの俳優がキャストに名を連ねています。
さらに、全編にわたって流れる「♪ウォルシング・マチルダ」は、豪州国民が国歌にしてもよいと思うほどに愛され続けてきているものなのです。日本でも、年輩の方との会話で「♪ウォルシング・マチルダ」を話題に出すと、「あぁ、あの『渚にて』という映画で知りました。」と言われる人たちも多くいるのです。
米ソ冷戦下の1964年に、第三次世界大戦が勃発する。核爆弾が使われ、北半球は死の灰に覆われて全滅・・・。生き残っているのは、たまたま潜水艦で潜航していて難を逃れた米国海軍の乗組員と、放射能汚染のレベルがまだ低いメルボルン(豪州)の人々。けれども死の灰は、南半球も確実に覆い始めていた。迫りくる放射能汚染の恐怖に対して、残された人々はどのような選択を行うのか。半世紀前に作られているのですが、核戦争の恐怖と地球滅亡を描いて色あせることのない傑作が、DVDで鑑賞しやすくなっているのは嬉しいことです。
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