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京都・左京区 今西鍼灸院



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不眠症


 調査によると、60歳以上の人で、眠剤を常用している人が80パーセントだそうです。当院に来訪される患者さんでも、60歳以上の方はほとんど眠剤を飲んでおられるようです。その場合、私は薬を飲むなとも、やめたほうがいいとも言いません。薬を否定すると、それが患者さんのプレッシャーとなり、かえって不眠症が悪化する危険があるからです。それに鍼灸師の立場では、法律的に薬を否定することは禁じられています。医師法違反です。

 しかし、眠ることは人間に備わっている能力です。薬に頼らなくても、適切な眠り方をすれば眠れるはずです。

 適切な眠り方というのは、身体を横たえて、指1本動かさないで、じっとしていることです。そうすれば、睡眠を促すホルモンが脳細胞から分泌され、眠りに落ちます。

 寝つけない時は何度も寝返りしますね。そうすれば睡眠ホルモンが分泌せず、なかなか寝付けません。

 何も考えなければ眠れる、とよく言われます。が、何も考えないことは難しいことです。ついつい、いらぬことを考えてしまいます。しかし、それは寝つきとは関係ないようです。何を考えていてもよいから、身体を動かさなければ眠りに落ちることができます。

 以前は、睡眠は疲れを取るために必要とされていました。が、近年になって、ちょっと変わってきました。

 身体を横たえて、じっとしているだけで、眠らなくても疲れはほとんど取れることが分かってきたのです。でも、眠ったほうが疲れが取れることは言うまでもありません。睡眠は疲れを取ることが真の目的ではないということです。

 では、睡眠の真の目的は何かといいますと、それは脳のオーバーヒートを防ぐためです。昼間の脳は活動しています。思考しています。それにより脳細胞は興奮します。その興奮が隣接する脳細胞に伝わり、連鎖反応が起こります。これが高じると、痙攣や意識障害が起こります。そういうことが起こらないように、夜は眠り、脳を冷却しています。

 さて、不眠症の鍼治療ですが、背部・両方の肩甲骨の間(肩甲間部)の凝りを取ります。ここには交感神経の神経節があって、鍼することによって、神経の興奮を抑えます。冷静になった神経は持続し、夜は眠りやすくなることを期待します。

 この部分に鍼をしていると、スーすーと軽やかな寝息、患者さんが眠っている! 鍼治療を受けながら、よく眠れるな、と思うことも珍しくありません。
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