岩石融解


マグマや流れる溶岩を見る機会というのは、なかなかありません。少量ですが、粉末にした岩石を融かして疑似マグマ(溶岩)を体験する実験です。簡単に岩石を融かすには、七宝焼きなどに使う工芸用の電気炉でも可能ですが、加熱・融解に時間がかかるのと、融けている状態が観察できません。そこで、ホウ砂を加えて融点を下げることでバーナーによる融解を可能にしまた。

1.実験方法

用具
バーナー(1台)、マッフル(1組)、るつぼ(1個)、るつぼばさみ(1本)、ピンセット(1本)、金属製薬さじ(1本)、三脚(1台)、三角架(1個)、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム)、玄武岩試料、革製手袋

やり方
(1)岩石を、鉄製乳鉢・乳棒で粉末状になるまで砕く。
(2)試料2gとホウ砂2gをるつぼに入れかき混ぜる。
(3)バーナー・三脚(またはスタンド)・マッフル・るつぼをセットする。
(4)最初は中火で、その後強火にして加熱する。途中で中を確認し、内容物が浮き上がっていたら、金属製薬さじで底に押し込む。
(5)5〜6分間加熱したらふたをとり、金属製薬さじで融解物を押して軟らかさを確認する。
(6)再びふたとマッフルをかぶせ、5〜6分間加熱する。
(7)るつぼバサミを使ってるつぼを取り出し、砂皿(または耐火レンガ)の上におく。
(8)ピンセット等で、融解物をかき出す。

実験装置
融かす量を増やす場合には、3〜4回にわけて入れた方が融かしやすいです。岩石試料15〜20gを融かすのに、40分ほどかかります。

2.実験結果

融解中 玄武岩の粉末を5分間ほど加熱すると赤く灼熱して融け、表面では発泡による孔が見えるます。金属製薬さじで押してみると、グニャッとした感触が確かめられます。
hypo るつぼばさみでつまんで引っ張ると、水飴のようにのびます。
画像をクリックすると動画(Quick Time ムービー)を再生します。

3.薄片の観察
薄片 薄片を作って観察すると、融解のようすがわかります。写真は偏光顕微鏡で観察したもので、黒い部分が融けてできたガラス、灰色や黄色は融け残った斑晶です。斑晶も角が丸みをおびており、融けたことがわかります。

玄武岩の他に安山岩や流紋岩も融かしてみたところ、玄武岩より安山岩、安山岩より流紋岩の方が融解物は固くなるようです。ただし、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム)はナトリウムを多く含むため、もとの岩石と化学組成が大きく変わってしまうので、実際のマグマの粘性と結びつけるのは慎重にした方が良いとのことです。大学の研究室等では、四ホウ酸リチウムを使います。リチウムは岩石にあまり含まれておらず、もとの組成を大きく変えないからだということです。

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