平成28年月報




平成28年1月(2月4日記)
 
1月の受診の方は約1,030名でした。開業以来2度目のサル年をむかえました。思えばはるかに来たものです。マイナンバー制度が始まりましたが、役所自体もその取扱いに困っているようです。この制度は大失策でこのままでは国の根幹さえ揺るがせかねないと思います。公布された法律も「場合によっては守らなくてよい」ことがわかったからです。中国を初めて統一した王朝“秦”に似ています。秦の始皇帝は自分は万能と思いこみ、国民ができない法律と重税、労役を乱発しました。その結果、多くの人々が法律を守れなくなり、反乱が頻発して短時間で王朝は倒れました。今、法治国家である日本で国民の間に「法律は守らなくてもよい」という認識がおこることは極めて恐ろしいことです。マイナンバーは制度の周知と準備のため、最低数年間は延期すべきと思います。



平成28年2月(3月3日記)
 2月の受診の方は約1,040名でした。2月としては開院以来最多でした。最近、相当不安定なケースでも入院を回避できています。例えばある若い女性(何度か入院歴あり)は2月上旬、調子が悪く 不安が強く頻回に受診されました。実際、一週間に4日来られ、そのうち1日は2回診察しました。そこで、作業所、訪問看護(24時間電話も)、地域生活支援センター(日曜日利用)、保健センター(相談)に協力を依頼しました。すると、なんとか10日ほどで落ちつかれました。これが開院当時ならば、作業所は充実しておらず、訪問看護も病院に依頼し、地域生活支援センターはありません。おそらくは彼女はすぐに入院になっていたと思います。同様に、認知症のケースで相当困難なケースも在宅を保ったり、施設入所を引き受けてもらえることができるようになっています。(そのかわり、定期なり不定期なりで私が自宅や施設を訪問することが増えましたが)神経科医療は確実に入院から在宅・外来に変換しています。



平成28年3月(4月3日記)
 
3の受診の方は約1,060名でした。話は大きくなりますが、世界中に不寛容が広まり報復合戦がはじまっているようです。特にイスラム教徒とキリスト教徒の争いが目立ちます。これは個人的にはとても不思議に思えます。共に神を信じる人々であり、神はくりかえし 啓典(コーラン新約聖書)の中で寛容と平和を説いておられます。コーランには「宗教には強制があってはならない」とあり、新約聖書(両宗教共に聖典)には「右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ」とあります。寛容と平和こそ、神が求めておられるものと思います。現在も過去も暴力に訴えるのは偽信徒たちと思います。我々は決して偽信徒たちの対立に巻きこまれてはなりません。(私のごときものが聖典や世界政治を論ずることは極めて不遜ですが、神は全能にして全知です。この文がここに出るのも神のご計画の一つです。)





平成28年4月(5月3日記)
 
4月の受診の方も約1,060名でした。現在 ヨーロッパ、中東で起きていることは「民族の大移動」であると思い当たりました。ヨーロッパでは常に(列強が世界中に植民地を作った大航海時代は例外)東から西に人々が移動してきました。先史では西洋文明を起こしたギリシャ人自体、多くのローマ皇帝を輩出したエトルリア人も東方からの移住でした。ゲルマン民族の大移動(西ローマ帝国の滅亡)、イスラム帝国(スペインも占領)やモンゴル帝国の侵攻、オスマントルコのバルカン進出など、その度に人々が西方に移りました。現代では社会主義の崩壊で東側の人々が西側に移り、EUが成立して、東欧から英、独、仏に人が集まり、さらに今回の中東難民の事態です。数百年単位の長い目で見れば、西欧は確実に東方民族化し、現在の西欧人は主としてアメリカ大陸やオーストラリアに住むようになるのではないでしょうか。現にロンドン市長にイスラム教徒が選出されたようです。ゲルマン民族の西方への大移動によって文明社会(西ローマ帝国)が崩壊したような惨劇がおこらないことを祈ります。



平成28年5月(6月3日記)
 
5月の受診の方は約1,050名でした。消費税増税の再延長でアベノミクスの失敗は明らかになりました。世の中にそんなうまい話はなく、小手先の経済政策では現在の日本が改善しないことは自明の理です。長期的にみて、一番大きい課題は人口減少と思います。国家百年の計が必要です。最近の政府はあまり深く考えず、思いつきで政策をうち出してきていると思います。大はアベノミクス、中はマイナンバー、医療では新専門医制度、精神科では多剤投与の制限等々。うかつに政府の言う通りにすると、あとで大変な災難が待っている気がしてなりません。国民が指導者の政策に唯々諾々と従ったために起こった最たる惨事はドイツ・ヒトラーによるユダヤ人の大虐殺です。



平成28年6月(7月4日記) 

 
6月の受診の方は約1,060名でした。今回のイギリスのEU離脱は衆愚政治・ポピュリズムにあたると思います。古くはソクラテスに毒杯をあおらせたのも イエスを磔にしたのも「民衆の声」でした。民衆は頭ではなく、腹(感情)で考えるもののようです。そのための歯止めが「議会制」民主主義であったと思います。イギリスは直接投票によってパンドラの箱を開けてしまいました。(ヒトラーも国民投票を多用した)EU解体、イギリス連合王国の分解(スコットランド等の独立)、最後に資本主義が終焉するのでないでしょうか。(社会主義の失敗から25年しかもたなかった)




平成28年7月(8月3日記) 
 
7月の受診の方は約1,090名と増加しました。ヨーロッパのテロ、相模原の凄惨な事件などが受診の方を増やしたと思います。相模原の事件については、犯人は教育学部に在籍しながら、入墨をするなど元々衝動的、短絡的に行動する人物であったと思われます。その彼が重度障がい者を身近に見たことにより「障がい者は生きている意味がない」などの幼い優生的思想を持ち、それが、彼元来の短絡行動性を誘発し、薬物や飲酒の力をかりて冷徹に計画し 凶行を遂行したのではないでしょうか。何も分からない無抵抗な人を自分勝手な信条に基づき大量殺人するなどは、単なる刑事事件ではありません。主体は個人であり、国家ではありませんが、“人道に対する罪”に相当すると思います。現在はテロを含む暴力事件、極右思想、世界経済の変調、独裁国家の台頭等々 第二次大戦前夜にそっくりではありませんか。



平成28年8月(9月4日記)
 8月の受診の方は約1,030名でした。8日間の夏休みをいただきました。阪急宝塚線のS駅近くに往診にいく機会があり (出自は富田林ですが) 3歳頃から38歳まで過ごした隣のM駅(aikoの歌あり)の近くを急に思いついて 徘徊してノスタルジーにひたってきました。阪神大震災後 駅が高架になり 駅出口の位置が変わったため、住んでいた商店街の入口がすぐには分かりませんでした。通りはシャッター街になり、市場も2か所ともありません。幼稚園はなくなり、小中学校は場所は同じでも全く様変わりしていました。ただ、いつも出前を頼んでいた飲食店が50年超 同じ姿で残っているのには驚きました。結婚後に住んでいたマンションは建物の色や外構が変わり、周囲もすっかり変わっていました。田んぼと蓮池(レンコン畑)の中に新大阪駅ができ、万博で地下鉄御堂筋線が北に延びていくのを見ました。飛行機の騒音にも悩まされました。万感、胸に迫るものがありました。幼稚園児未満から結婚して子供ができるまで過ごしました。徒手空拳、すべてに可能性がある日々でした。



平成28年9月(10月2日記)
 9月の受診の方は約1,070名でした。病院で高齢者に対する無差別と思われる大量殺人がありました。直近の障がい者大量殺人に続く 荒んだ事件で、世の中の雰囲気を表していると思います。「世の中に役に立たず、人に厄介をかけるものは消えた方がいい」などの優生思想には 個人的に強い嫌悪を感じます。ヒトラーは言葉で欺瞞し、暴力で脅してドイツ国民を同思想に追いやりました。日本では共通の宗教や思想がなく、アノニー状態で一見“合理的な”自然科学が“信仰”されています。自然科学が貫徹する自然界のように「生存競争に負けた 個体や種は不要なので死滅する。」と日本人の多くが考えているのでしょうか。恐ろしいことです。



平成28年10月(11月3日記)
  10月の受診の方は1,060名でした。無事過ごせていることを感謝します。これまで12年間、健康上の理由や自己都合で臨時休診がなかったことを誇りとします。90歳をこえ、矍鑠として尊敬すべき高齢者の方にお会いし、カラマーゾフの兄弟の一節を思い出しました。「沸きたつ若い血潮代わって、柔和な澄みきった老年が訪れる。わたしの心は前と同じように朝日に歌いかけてはいるが、それでも今ではもう、むしろ夕日を、夕日の長い斜光を愛し、その斜光とともに、人生の中の、静かな和やかな感動的な思い出を、なつかしい人々の面影を愛している。人生は終わりかけている。そのことは自分でも知っているし、その気配もきこえているのだが、残された一日ごとに、地上の自分の生命がもはや新しい、限りない、未知の、だが間近に迫った生命と触れ合おうとしているのを感じ、その予感のために魂は歓喜にふるえ、知性はかがやき、心は喜びに泣いているのだ。」年齢をかさねた後にこのような老境に至りたいと思います。





平成28年11月(12月3日記)
 11月の受診の方は約1,060名でした。11月より処方箋に薬剤の一般名を記載することにしました。薬局で先発品かジェネリックか選択できます。話はまた大きくなりますが、グローバリズムの先頭で推進した英米でその反動と思われる選挙結果(EU離脱、トランプ大統領)があり、自由や人権に対する心配が出てきたと思います。古代ギリシャの民主制は衆愚政治に陥り 独裁者アレキサンダーが現れ、各地を征服しました。ローマでも民主制が帝政に変わり、領土を拡大しました。古代中国でも春秋戦国時代に人々が自由(百家争鳴)を満喫した後、秦の始皇帝が現れ、焚書坑儒を行い 周辺地域を侵略しました。近くはドイツでも当時世界一の民主主義国家ワイマール共和国がヒトラーをうみました(彼も焚書をした)。民主主義や自由が行き詰ると、国民はポピュリズムに引き寄せられ、独裁政権が出現し、結果、自由と人権が奪われ、対外侵略になるようです。しかし、現在の大国が本気で戦争を始めたら、昔と違い核戦争となり、人類を含めた生物の「大絶滅時代」になってしまします。



平成28年12月(1月3日記)
 12月の受診の方は約1,080名でした。最近、芸能人やスポーツ選手の薬物犯罪の報道が目立ちます。これは医師による向精神薬の多剤投与制限と関係があるのではと思い当りました。彼らは不規則でハードな仕事で 24時間注目され、激しいストレスを受け 以前には抗不安薬や睡眠薬(ともに主としてベンゾジアゼピン)のヘビーユーザーであったはずです。H22年からの始まった多剤処方規制で医師からの処方量が少なくなり、違法薬剤の使用に流れたのではないでしょうか。日本全体でも他の犯罪は減っているのに薬事犯罪は増加しています。国別の比較をみてもベンゾジアゼピン(抗不安薬、睡眠薬)の処方量の少ない国の方が(ベルギー、オランダ、アイルランドなど例外)薬物犯罪率が高いように見えます。もちろん、知識や経験のない医師が患者さんの言われるままに大量に処方するのは論外です。
この3小国はマリファナなどが解禁されており、周辺の大国から薬物依存者が集まっている可能性があります。
〇そもそも日本でベンゾジアゼピンの使用量がとび抜けて多いという説は統計の方法が違うだけで 欧米、特にアメリカとは同水準であるという厚労省の報告がH23年にあります。






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