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*special : Gidon Kremer
世界的ヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルを特集した私設ページです。個人のレビューなども交え、鬼才クレーメルの幅広い作品群や演奏会での様子等を、少しづつ、ご紹介できたらと思います。(管理人)
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#001: Gidon Kremer & Kremerata Baltica
ギドン・クレーメル&クレメラータ・バルティカ室内管弦楽団
名古屋国際芸術祭 〜イタリア名曲の旅〜
2007年6月14日(木) 愛知県芸術劇場コンサートホール
  名古屋国際音楽祭は今年で30周年、そして、クレメラータ・バルティカも結成10周年を迎えるという記念すべき時に、来日初日の演奏を聴くことができました。
今回は、「イタリア名曲の旅」と題して、イタリアの名曲をテーマに趣向をこらしたプログラムになっています。
この独特な選曲センスは、やはり、クレーメル!!

前半は、ヴィヴァルディの《四季》と、モリコーネの《アントニオ・ヴィヴァルディのための4つのアナコルーティ(破格構文)》が交互に演奏されます。以前の演奏会では、『Eight Seasons』でお馴染みのヴィヴァルディ《四季》、ピアソラ《ブエノスアイレスの四季》、デシャトニコフ《ロシアの季節》も交えて、交互に演奏されていましたが、今回はモリコーネ!
しかも、映画音楽のモリコーネしか馴染みのなかった方は驚くと思うのですが、この《アントニオ・ヴィヴァルディのための4つのアナコルーティ》は、調性の壁を切り崩したような、なんとも実験的な音楽になっているのです。
更に、弦楽合奏の即興的な掛け合いでは、緊迫した空気が張りつめていて、クレーメルが最も得意とするところの”キレ”が感じられ、個人的に、とても興奮してしまう場面でした。。
私にとって、クレーメルは、”響き”よりも”キレ”を生で聴きたい演奏家なのです。
それはそうと、元々、現代音楽を学んでいたというモリコーネの映画音楽以外のこう言った前衛的な音楽にとても惹かれるものがあります。また、ノーノと親交の深かったクレーメルが、モリコーネのこのような音楽を演奏するというのも、非常に興味深いところです。

後半は、どう、イタリアが盛り込まれていくのか。。
弦楽合奏版チャイコフスキーの《フィレンツェの思い出》は、ロシア的情緒が感じられる楽曲となっていて、特に第3楽章のアレグレット・モデラートではロシア民謡風な断片が盛り込まれ、最後の第4章のアレグロ・ヴィヴァーチェに至っては、室内楽かと思わせるほどの盛り上がりが圧巻でした!!
今回、クレーメルの演奏はございませんでしたが、この若き楽団の底力を垣間見た瞬間でもあります。
(オリジナルの弦楽六重奏は、ぜひとも聴いてみたい!!)

最後は、お待ちかね、パガニーニの《ヴェネツィアの謝肉祭》です!!イタリアの太陽の匂いのする、明るく華やかな音楽は、今回のテーマに一番近いプログラムだったように思います。
バガニーニの人間離れした様々な技巧をクレーメルが代弁する・・・。時代を超えたこの二人の出会いが、いつも特別で、奇跡的なものに感じられます。(クレメールのパガニーニというと、映画「哀愁のトロイメライ」で、実際にパガニーニを演じていたナリキリ姿がとても印象的なのですが、パガニーニを演奏するクレーメルを見る(聴く)度に、本気で憑依されちゃっているのではないかと思うのは、私だけでしょうか…。。)
「いとしいお母さん」によるおどけた変奏曲では、特に、クレーメルのあの独特なアクロバティックな演奏フォームも健在で(笑)、勿論、演奏の方も集中して聴いていたのですが、思わず、黄色い歓声をあげそうになる自分を必死で堪えてました。

さて、アンコールは、テーマに沿っての選曲か、ニーノ・ロータの《ドルチェヴィータ》。フェリーニの映像を回想しながら映画音楽をBGM的に聴くと言った、生易しいものではないことは、既に、ご承知のことと思います。。なんてたってクレーメルの演奏ですもの。(映画音楽を取り入れたユニークな構成の『Le Cinema』はオススメです!)

そして、ラストが、やはり、ピアソラ!!!
ウケがよいのですよね〜。今回は、わざわざ、鍵盤打楽器が登場し《リベルタンゴ》を演奏。。あー、ニクイです。
(このツアーのアンコールで、同じ楽曲かはわかりませんが、このスペシャル版ピアソラが聴けるのは間違いありません。。東京公演が、非常に楽しみです。。
。)

プログラム ー2007年6月14日(木)
Gidon Kremer & Kremerata Baltica
Conductor: Mikhail Pletnev, Piano: Rafal Blechacz

四季
<モリコーネの各曲とヴィヴァルディの四季を交互に演奏>
E. Morricone : Quattro Anacoluti
モリコーネ:アントニオ・ヴィヴァルディのための4つのアナコルーティ

A. Vivaldi : The Four Seasons Op.8-4
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」Op.8〜4
(ソリスト:クレーメル)

(休憩15分)


P.I Tchaikovsky : "Souvenir de Florence" Op.70
チャイコフスキー:「フィィレンツェの思い出」(弦楽合奏版)Op.70
+第1楽章:アレグロ・コン・スピリート
+第2楽章:アダージョ・カンタービレ・エ・コン・モート
+第3楽章:アレグレット・モデラート
+第4楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ

"N. Paganini : Variations on a theme from the carnival of Venice
パガニーニ:演奏曲「ヴェネツィアの謝肉祭」Op.10
(ソリスト:クレーメル/ リーダー:ダニエル・ガルリッキー)

【アンコール】
ニーノ・ロータ:「ドルチェヴィータ」
ピアソラ:「リベルタンゴ」
2007.06.14(管理人)
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