
NOTE:01
Robert Ryman(1930−)
1930年 ・5月30日、アメリカのテネシー州ナッシュヴィルに生まれる。
ジャズ・ミュージシャンを志してニューヨークに移る。盲目のジャズ・ピアニスト、レニー・トリスターノに師事する。
生計を立てるために、ニューヨーク近代美術館の監視員の仕事に就く(1960年まで勤務)。同館で、マティス、ピカソ、セザンヌたちのヨーロッパ近代絵画、フランツ・クライン、マーク・ロスコの抽象表現主義絵画などを目にして美術に関心を抱き、絵を描き始める。。
紙やトレーシング・ペーパーに、鉛筆、グワッシュや油絵具を用いた小品、綿カンヴァスを支持体にした油彩画を手がける。画材の種類は変えながら、支持体の形は正方形、絵具の色は白を用いるスタイルが定着し始める。 |
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#001: ROBERT RYMAN
ロバート・ライマン展 ー至福の絵画ー
2004年7月10日(土)〜10月24日(日) |
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川村記念美術館にて、現代アメリカ美術の代表作家のひとりロバート・ライマン(Robert
Ryman, 1930−)のアジア初の回顧展が開催された。
『本展は作家本人とニューヨークのペースウィルデンスタイン画廊の全面的な協力を得て実現するアジア初のライマン回顧展です。作家が所蔵する作品を中心に、グッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館などから、ライマン自身の目で選りすぐられた約25点をライマンによる展示でご紹介する予定です。
ライマンのシンプルでありのままな作品によって、人間本来の感性が呼び覚まされる、貴重な体験となるでしょう』 (〜川村記念美術館ホームページより)
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千葉県佐倉市にある川村記念美術館へ行ったのは、今回が2回目。
最初の展示は、2001年の「ゲルハルト・リヒター ATLAS」の時でした。行かれたことのある方は、もうご存じかと思いますが、かなり辺鄙な場所にあります(笑)。しかしながら、遠くまで足を運んだかいあって、ここでの展示は、なかなか嬉しい企画盛りだくさんで、来た人を失望させる内容にはけっしてなっておりません。
(常設展のひとつ、「マーク・ロスコ・ルーム」は、個人的にとても好きで、2回とも時間を忘れ、ボーっと見入ってしまいました。)
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《メイコ》 1966年 油絵具、麻カンヴァス 192.1x192.1cm
スイス、ダロスコレクション所蔵
(c)2004 Robert Ryman,
courtesy PaceWildenstein |
さて、今回の「ロバート・ライマン展」も、かなり豪華な内容で、ライマン自身もこの回顧展に携わり、選りすぐられた、実際27点もの作品を一挙に観覧することができました。更に、インタビューの様子もビデオで見れ、製作過程や、今回の展示の意図する一貫したテーマのようなものも伺い知ることができて、感無量と言った感じでした。
私が最も興奮したのは、なんと言っても、直で27点もの作品を一度に観れたということでしょうか。と言うのも、最初の出会いが、10年ほど前に購入したライマンの作品集、ランクアップして、次に初めて"生"で触れたのは、オランダ・アムステルダムの
Stedelijk
Museum* で観た、たった一点だけの作品。(この時は、イヴ・クラインやバーネット・ニューマン等、蒼々たる作家たちの展示が一同に行われていて、ちなみに、バーネット・ニューマンの連作の隣は、この、ライマンの白い作品だったのです(笑)。)
一点だけの作品で、これだけ興奮し、感動したのですから、それが数十点に及ぶともなると、もう、言葉では言い現せないくらいすごいことが起こるだろうと予想していました。。案の定、ライマンの作品群を前にして、もう、クラクラでした(笑)。
「白」という色彩をモティーフにしているのが特徴ですが、けして、平面のカンヴァスに塗りつけられた白という色彩だけを楽しむものではありません。
実際、作品の前に立ってみると、モティーフである白の作品は、色んな角度・位置から「光」を吸収、反射し、様々な色彩を浮き上がらせてくれます。それと同時に、どういうわけか、白のカンヴァスに潜む、様々な光の色たちが、見る者に、なんとも不思議な幸福感を与えてくれるのです。まるで、ターナーの作品で描かれる、空のように、光に淡く溶け込んでしまっているようです。
また、ライティングやカンヴァスの壁との距離、設置位置、絵の具のタッチや厚み、素材などによっても、単なる平面を超えた「空間」として、作品を捉えることができます。
不思議なことに、一連の作品を順を追って観て行くと、「一体、どこまでが作品なのだろう?」と、考える暇さえ与えられないのです。これは、もしかすると、見る視線を常に意識した、ライマンの緻密な配列、構成によるものなのかも知れませんね。
今回の展示のライマン自身による解説の中でも、作品を置く場所、順番、配列は、とても神経を使ったというようなことを言っておりました。(ちなみに、会場ではiPodによる作者の解説を聞きながら、作品を観覧できるのです。)
作品同士の相性というものもあって、ただ年代別順に並べるというようなことは、けしてしておりませんでした。
また、その配置も非常にユニークで、個性(大きさや色使いなどが違う)の違う作品たちの並べ方が、とてもリズミカルで、まるで「音」が聴こえてきそうな感覚がありました(笑)。ライマンが画家を志す前、ジャズミュージシャンだったということも影響しているのでしょうか・・・
展示の設置状況、環境、光の加減によって、同じ作品でも、その見方が、常に、違ったものになってくるというのも、非常に面白い点だと思います。見る者と同じ時間・空間を共有することによってでしか得られないということに、ある種、"トキメキ"に似た興奮を感じ、ライマン作品を観る度に、その感覚が増していきます(笑)。
もしかして、ライマンの「白」には、中毒性のようなものがあるのかも知れません(笑)。。
何かの機会で、再びライマンの作品に出会った時、きっと、以前とは違う見方で作品に触れ、新たな発見と共に、あの「白」に陶酔し、また別の"トキメキ"を感じることと思います。
そう思うと、次回の展示がとても楽しみであるのです。
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2004.10.30(管理人) |
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