No. 39

ディザスター映画は“防災教材”
壊滅暴風圏 II:カテゴリー7
〈原題:CATEGORY 7: THE END OF THE WORLD〉



DVD「壊滅暴風圏II/カテゴリー7」/
発売日 2007年05月03日/価格 ¥3990 (税込)
品番 DVF-139/発売元:日活

 ディザスター&イマジネーションシリーズNo. 18で2004年米国製作TVドラマ「壊滅暴風圏:カテゴリー6」を取り上げた。本欄での評価は、「異常気象(巨大ハリケーンと巨大竜巻が合体する“スーパーストーム”)に加え、現代エネルギー浪費社会の脆弱さをあばく大停電の同時勃発など、ストーリー展開のスケールは大きく、快適なテンポと相まって災害モノとして上デキ」とした。
  “上デキ”評価は米国内も同じだったらしく、翌年05年にすぐ続編「カテゴリー7」が製作・放映された。

 続編では、「カテゴリー6」がシカゴに大きな爪あとを残した後、さらに威力を増した“カテゴリー7”が襲来し、パリ、エジプト、香港、ニューヨークと世界の大都市を次々と襲う。FEMA(連邦危機管理庁)長官に抜擢された女性敏腕長官(ジーナ・ガーション)の奔走を軸に、エネルギー産業による環境破壊を隠蔽する政府有力者、“世界の終わり”を逆手に布教活動を行う団体と狂信者が引き起こす事件もからむなかで、竜巻の原因が大都市部のヒートアイランド現象に深く結びついていることが判明するが、スーパーストームは、首都ワシントンDCを直撃する……

 昨今のディザスター映画は、よりグローバルで社会構造的な現実の課題や、先端的な理学系理論・情報、観測・防災テクノロジーをキャッチアップしてプロットを展開し、加えて演出、カメラワーク、VFX(CGによる特殊効果)もよりリアルになってきている。
  ストーリーの飛躍自体はこの種の映画ならではの魅力だが、それはそれとして踏まえておけば、こうした映画での大規模な自然の営み(大地震、大津波、火山噴火など)の再現・描写テクニックは“エデュケーショナル・エンタテインメント”(防災教材的な映像)として評価できそうだ(東京大学地震研究所がそのサイトで、映画「日本沈没」を素材に、一般向けの地球科学『Q&A』を開設した例もある。No. 17「日本沈没」参照)。

 08年版防災白書は「災害を具体的にイメージする能力を高めるための防災教育が有効」とし、「人と防災未来センター」の「1.17シアター」のような「地震や火災を疑似体験できる施設」、起震車など地震を疑似体験できる災害体験のシミュレーションを高く評価している。
  ディザスター映画も、災害に立ち向かう人間の志という主題において、また、“想定を超えた災害への想像力”という意味において、災害体験シミュレーションなのだ。