No. 38

君が死ねば、救える命を救えない
合衆国壊滅 II/再襲来! M10.5
〈原題:10.5 APOCALYPSE〉



DVD「合衆国壊滅U/再襲来!M10.5」発売・販売:
日活株式会社
価格:税共\3,990
〈「合衆国壊滅」2枚組パック 税共\5,565〉

 前回の本欄は「森林火災」がテーマの映画紹介だったが、実は予定していたのは「地震」テーマで、今回の「合衆国壊滅U/再襲来!M10.5」を取り上げるつもりだった。ところがそこに「四川大地震」が発災(5月12日)した。
 ディザスター映画紹介は基本的にはエンタテインメントだから、現実の災害の惨状を目の前にすると“萎縮”せざるを得ない。もちろん、映画はフィクションであり、人間の文化の源泉である想像力の産物なのだから、その価値を現実と比較すること自体見当違いだが、ここは“遠慮”したほうがいいという判断で、前回は地震モノを見送った。

 今回、その復活をと思ったとたん、「岩手・宮城内陸地震」が起こった。本紙のTOP記事に「15年間に14の被害地震」という見出しがあるが、これではいつまでも地震モノ映画を取り上げられっこない。そこで見切り掲載することにした。
2006年米国製作テレビ映画「合衆国壊滅U/再襲来!M10.5」は、本欄のNo.23で紹介した「合衆国壊滅:M10.5」の続編だ。

 前作で米国西海岸を襲った連鎖地震がさらにプレート破壊の連鎖を起こし、ついには米大陸を東西に引き裂く大断層となるというスペクタクル。カリフォルニア州沈没の余波でハワイ・ワイキキを襲う大津波(ダイヤモンドヘッドの頂き・標高約230mが津波の“駆け上がり”と呼ばれる波に洗われるほどの大津波!)、火山噴火(火砕流の恐怖!)、砂漠のモニュメントバレーに湧き出る地下水、地盤の大陥没で沈むラスベガス、地震で崩れるマウント・ラッシュモアの石像などなど、盛りだくさんの見せ場が続き、ついには地表を割いて突き進む地震断層がテキサスの原子力発電所に迫る……テレビシリーズをまとめたもので3時間弱の長編映画だが、“パンゲア大陸回帰説”をモチーフとするストーリー展開は荒っぽいものの、スピード感にあふれる。

 FEMA(米国危機管理庁)のレスキュー作戦のノウハウ(チームで行動、がれきに埋まった人の救助法など)にふれられることや、救助活動での犠牲死亡指数(救助側の犠牲死亡発生率=二次災害)の話など、興味深いところもある。
 弱気になった医療ボランティアを「君はもっと強いはずだ。君は必要とされている」と励ます医師のせりふや、果敢だが命知らずの救助隊員を抑えるのに「君が死ねば救えるいのちを救えない」とたしなめるチームリーダーの資質など、細部の脚本にもこだわりが感じられる。
 辛口傾向の筆者ではあるが、この映画に“B・プラス”評価を与えよう。