No. 37

火はもっとも純粋な自然
灼熱のカタストロフ
〈原題:SUPERFIRE〉



2002年米国製作/DVD「灼熱のカタストロフ」
/販売元:角川ヘラルド映画

 今回の災害映画は、「火」がテーマ。森林火災、なかでも原子爆弾並みの威力を持ち、時速160kmで進みながら2分間で1.6km四方を燃やしてしまうという壊滅的で伝説的な山火事「スーパーファイヤー」を“主人公”とする02年米国製作テレビ映画「灼熱のカタストロフ・スーパーファイヤー」だ。

  スーパーファイヤーともなると、その中心部はあまりに高温のため炎も上がらずに木々が一瞬にして爆発し、生物が入り込んでしまうとそのままの姿勢で一瞬にして灰、中心部の周囲でも炎を見る前に肺や肌が焼けて死に至るほどだと言う。
  そして、意思があるかのように雷雨や火の竜巻を発生させ、飛び火させる。延焼は日本で言えば県単位の面積にも及び、大都市にも危険が及ぶやっかいな広域災害となる。

  地球温暖化や過度な森林伐採に伴い、世界的に大規模な森林火災発生率が高くなっている近年だが、米国では森林を保護するいっぽうで雷などによる自然発生的な山火事が少なくない。北米では過去に何度も大規模な森林火災が発生しており、オレゴン州ティラムーク地区では米国史上に記録される大森林火災が何度も起きている。1945年7月の山火事は2カ所で発生し2日後にそれらが合流、スーパーファイアーとなった。その片方の山火事の原因として、日本海軍の風船爆弾が噂された。

  余談だが、たしかに当時、日本海軍は米国本土空襲作戦をゲリラ的に実施した。太平洋沿岸から潜水艦の艦載水上偵察機を飛ばしてオレゴンの森林に焼夷弾を落とし、山火事を起こした事実もあった。この一連の日本海軍機による空襲はアメリカ史上初、そして現代までにおいて唯一の外国軍用機によるアメリカ本土への空襲として記憶されている。

  さて、映画はB級と言わざるを得ないが、飛行機から難燃剤を撒くパイロットや降下(落下傘)消防隊が活躍するオレゴン森林消防救助隊の姿が描かれるほか、マント風の防炎シート「ファイヤーシェルター」の使い方など消防プロの技術も盛り込まれているあたりが興味深い。

  「火はもっとも純粋な自然だ。生き延びたいならうまく付き合うことだ」と、新人消防士に忠告を与える降下消防隊隊長がカッコいい。