本号特別企画『火山防災』にちなみ本欄も火山もので迫る(第2回・05年4月号の「ダンテズ・ピーク」以来、火山ものは2度目)。
今回は05年・英国BBC国際共同制作テレビドラマ「スーパーボルケーノ」だ(10月号「スーパーストーム」に準じたBBC国際共同制作ドラマで、NHKも出資、05年5月に放送、DVD販売)。英国・米国の火山学者がアドバイザーとして制作に参加、専門家が見ても内容に違和感はないという科学“ドキュドラマ”(ドキュメンタリータッチのドラマ)である。
米国ワイオミング州など3州にまたがるイエローストーン国立公園は、世界初の国立公園(1872年指定)で、世界遺産(1978年に登録)となっている。
広さは8980平方q(東京都の面積2187平方qの4倍強)もあり、大小の間欠泉、温泉、地熱で沸騰する泥の池などのほか、3千m級の高山が数十峰林立、高山湖や川・滝も数知れず、グリズリー(熊)や狼、バイソン(野牛)やワピチ(大鹿)の群れが生息する大自然が魅力だ――そしてその究極の観光資源は、全域が活火山であり、東京がすっぽり入るほど巨大なカルデラ(“鍋底”が原義。噴火後の地盤陥没で形成される凹み)火口を持つことだろう。
かつて……63万年前、カルデラ破局噴火(火山の最大級の噴火でカルデラと大規模火砕流の発生を伴う)がここで起こった。そのとき生じたカルデラはあまりにも巨大すぎて、80年代に航空写真で初めて存在がわかった。その全容に至っては衛星写真でなければとらえられないほどである。
その地下に再び膨大なマグマが蓄えられ、いま目覚めのときが迫る。最先端の火山学知見やセント・ヘレンズ火山噴火の実写を織り込んだこの“ドキュドラマ”は、私たちの想像力を飛翔させる。破局噴火は地球規模の大災害を引き起こすが、災害の概念をすらはるかに飛び超える地球躍動への畏怖……イエローストーンの超破局噴火は、“いずれ”起こり得る現実なのだ。
イエローストーン国立公園の公式ホームページ(英語版)に、その破局噴火の可能性についての真摯なQ&A解説がある。これを併せて読んでおけば、「スーパーボルケーノ」の現実味がさらに伝わってくるだろう。