No. 26

ファイト一発!で愛をゲット
海 猿
LIMIT OF LOVE



06年日本映画・DVD「海猿LIMIT OF LOVE」
スタンダード・エディション
発売元:「LIMIT OF LOVE 海猿」製作委員会
/価格:税共¥3,990
(C)2006フジテレビジョン・ROBOT・ポニーキャニオン
・東宝・小学館・FNS27社

 「海猿」(うみざる)というワイルドでややコミカルなこの言葉、いまでは海上保安官を指す愛称として市民権を得たようだ。だが、実はこの愛称、海上保安官も身に覚えのない、原作コミックの創作だそうだ。

 シリーズ3作目(06年製作。映画は2作目、ほかにTVドラマ)の「海猿LIMIT OF LOVE」は、1作目やTVドラマと異なり沈没パニック映画に特化した。桜島を背景に大型フェリーが座礁転覆・爆発、目と鼻の先で大事故が展開する設定は無気味で不思議な臨場感をもたらす。

 ただ、全編を貫く「ふぁいと〜いっぱ〜つ!」風オトコの友情とセンチメンタリズムは、よくも悪くも日本的。1作目は海保(海上保安庁)紹介が“お勉強”になったけど。

 さて、映画評はともかく(!)、以下、海保トリビア情報を、「海猿」の主人公の海上保安官(伊藤英明が演じる)仙崎大輔を例に紹介しよう。仙崎は第十管区鹿児島海上保安本部所属(前作では第七福岡管区だった)の一等海上保安士で、海上保安大学校研修課潜水技術課程を修了した人物。この「管区海上保安本部」は現在11あり、第一は北海道、第二は東北というふうに第七福岡までは原則的に数が多くなると南へ下る。だが、第八になると舞鶴(京都府)、第九は新潟となり、第十は鹿児島、第十一は沖縄となる。

 彼の階級「一等海上保安士」は序列で言うと、1番を「長官」として10番目。12番目が最下位の三等海上保安士だから、彼の下には2階級しかない。

 海上保安官になるには、海上保安大学校(または海上保安学校)を卒業する。彼は潜水士でもあるが、潜水士になるには、卒業後に現場での業務経験(主に巡視船艇での勤務)を経て潜水士養成研修を受ける。この研修を受ける要件は、30歳以下で一般検査(視力、握力、呼吸器、循環器検査など)のほか、水泳能力が問われる。その条件は、一呼吸で約23mの水平素潜りができること、約300mの水泳ができることなどで、これらを勘案したうえで、研修生が選抜される。

  研修は約2カ月間で、これが厳しい。この研修を乗り越えて国家試験に合格すると、海上保安庁潜水士になる。潜水士は海上保安官の一種のスキルなので、潜水業務に特化するのではなく、巡視船の業務に就きながら必要なときにスキルを発揮する。

 映画は、仙崎クンの潜水士としてのスキルをいかんなく発揮できるプロットではあった。