No. 24

大津波の弱点はサーファーに聞け!

TSUNAMI

原題:TSUNAMI



DVD「TSUNAMI」05年ドイツ製作(英語版/
日本語字幕・日本語吹替収録) 
発売・販売:プライムウェーブ株式会社 
価格:税共5,040円

 ソロモン諸島で4月2日に発生した巨大地震(M8・1)で大津波が発生した。1週間を経過した4月9日現在でも、被害の全容はもとより規模の推定もむずかしい状況だ(6日の赤十字国際ニュース第21号によると死者34人、家屋倒壊2500軒以上、被災者5500人以上)。

  未確認情報では、完全に津波に呑み込まれた島もあるらしい。04年12月に発生し20万人以上の死者を出したスマトラ島沖地震津波に続く大災害となる様相が濃い。

 ところで、本紙3月号で「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の報告書を紹介した。地球温暖化が進めば21世紀末に地球の平均海面水位上昇は最大59p上昇すると予測する。

  そうなると、たとえば陸地の最高で海抜5mという南太平洋の小国ツバルでは地中から海水が湧き出て飲み水がなくなり、約1万の国民は国土を失うと言われる。

  4月6日にはIPCCから別な報告書が出て、2080年代にはアジア・アフリカのメガデルタ地帯などが海面上昇による洪水リスクに直面するとしている。

  こうした地球規模の異変や災害をどう受け止めるべきか。本コラムはフィクションを素材としているが、まさに「事実は小説よりも奇なり」、人間の想像力を超えた“極端事象”が起こりうる時代になっている。

 さて、今回取り上げた05年ドイツ製作テレビ映画・『TSUNAMI』は、高さ46mに“成長する津波”がモチーフ。某企業が抜け駆けで採掘を進める新化石燃料物質メタンハイドレート大鉱脈が連鎖爆発し、海底で地殻変動が起きて大津波が発生する(その引き金を引くのが姑息な人間の欲望)。

  映画は、この巨大津波の迫力あるうねりをみごとに映像化している。その津波の威力を殺(そ)ぐアイデアが、サーファーである主人公から提案される。サーファーこそが知る波の性質への経験知が大きなヒントになるのもおもしろい。

 なお、メタンハイドレートとは固体のメタン系新エネルギーで、“燃える氷”と言われる物質。地球温暖化に有効とされるが、現在はまだ研究採掘段階。

  日本近海には世界最大埋蔵量のメタンハイドレート鉱脈があるらしく、石油が枯渇した場合、日本が世界最大のエネルギー資源大国になる可能性があるそうだ。

  災害映画の効用は、最先端科学情報を隠し味にするところにもある。