No. 22

現代史に埋もれた20世紀最悪の大震災

中国大地震
原題:唐山大地震



DVD「中国大地震」発売・販売元:ジェネオン
エンタテインメント/価格:税共\3,990

 国連開発計画(UNDP)「防災レポート:災害リスクの軽減に向けて」(04年2月)によると、1980年から2000年の20年間でのマグニチュード(M)5・5以上の地震の発生頻度(年平均回数)は、中国2・1回、インドネシア1・62回、イラン1・43回、日本1・14回、以下、アフガニスタン、トルコ、メキシコと続く。

  中国の地震発生頻度が世界一だが、国土が広大なせいだ。そこで国土面積当たりをみると、コスタリカが世界一、キプロス、アルメニア、エルサルバドル、ギリシア、そして日本となる。中国は日本の15分の1程度とぐんと低い。

 ところがその中国にも地震帯は23あるという。ほぼ30年前の1976年7月28日未明、そのひとつ「燕山―渤海地震帯」が動いた。20世紀最大の死者数を記録した「唐山地震」(マグニチュード7・8)だ。

  死者は公式記録によれば24万2419人(非公式には60万人〜80万人)にのぼった。レンガ造りの建物が一瞬で倒壊、死者の大部分は圧死だった。

 唐山市は中国東北部・河北省の工業都市で人口約100万人(震災当時。現在は復興し157万人)。南は渤海湾に面し、西は北京、天津に接する。
 つい30年前、世界災害史に残る大震災が北京近郊で起こった事実を信じがたいと感じる読者は多いだろう。

  その理由は当時、中国が文化大革命のさなかにあり、当局が情報を統制し、国際社会からの援助を拒否したことにある。

 映画「中国大地震」は珍しく中国製作による災害・パニック映画だ。01年製作・日本未公開だがこのほどDVD版が発売となった。

  この映画のポイントは……地震発生前の動物の異常行動や自然現象の異常など、「宏観異常現象」による地震予知を前面に打ち出したことか。その伏線は、唐山地震の前年2月に起こった「海城地震」(M7・2)で、同じ手法で地震予知に成功した実績にある。

  しかし筆者は、「宏観異常現象」による予知は「予言、占い」に近い、つまり科学的ではないという見解に立つから、実はこの映画紹介をためらった。
  しかし、だからこそ、同映画が断定的に地震予知とするその手法に疑問の一石を投じておく。

 映画は、ほぼ半世紀前のわが国の映画「ゴジラ」を彷彿させるが、有人宇宙飛行を成功させた中国のこと、災害パニック映画の質が今後、急上昇するだろうことは当然、“予知可能”ではある。