No. 14

ディープインパクト、ハナ差で敗れる?

アルマゲドン
Armageddon


(C)Touchstone Pictures./DVD「アルマゲドン」/
発売元:ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
 ある天候が高い確率で現れる特定の日は“特異日”。その伝でいえば、1998年は米国製ディザスター映画の“特異年”だった。同年5月8日「ディープインパクト」、同月18日「ゴジラ」、7月1日「アルマゲドン」と、制作費1億ドルを超える超大作ディザスター映画の公開が続いた(以上は米国内での公開日)。

 「アルマゲドン」と「ディープインパクト」は、それぞれアステロイド(小惑星)、コメット(彗星)が地球大接近、激突軌道にあって地球壊滅の危機を招くというそっくりなストーリー展開で、興行的にも地球規模の大激突、世界のディザスター映画ファンを震撼(?)させた。
  この勝負、総売上で2億ドル超の「アルマゲドン」と、制作費の倍の売上を記録した「ディープインパクト」が成功、「ゴジラ」はトントンだった。

 さて、「アルマゲドン」と「ディープインパクト」は話が似ているだけに、どちらの勝ちか決着をつけたくなる。「アルマゲドン」はブルース・ウィリスほか豪華キャストを起用、独立記念日のお祭り興行で、話題性先行だったが……「ディープインパクト」のほうが映画としては優れているという評価が主流。
  しかし実は科学的考証では「ディープインパクト」の評価がぐんと低い。そして、“まだまし”な「アルマゲドン」の評価が相対的に高くなる。

 本コラムは科学的“考証”と想像力“飛翔”のバランスに立ってディザスター映画を紹介する趣旨だから、科学的考証で手を抜いた映画の評価は低くなる。
  その意味で、アマチュアのコメットハンターや天文同好会系の人たちに、細部考証面で「ありえな〜い!」と絶好の“餌食”となった「ディープインパクト」は、本コラムでも「アルマゲドン」に主題の座を譲る(その辺の事情はネット上に詳しい)。

  「ディープインパクト」の象徴的な弱点例をひとつだけ挙げると、冒頭で天体観測同好会のメンバーが望遠鏡で新彗星を発見するシーン。“新彗星発見!”にいのちをかける世界のアマチュア・コメットハンターは、このシーンにジダンダを踏むらしい。
  「あの程度の望遠鏡で新彗星が見つかるものなら、ディープインパクトは万馬券だ!」と。よく意味がわからないが、天文学も競馬も、その考証ではマニアを甘くみてはいけない。