No. 10

科学はパニック映画のプロデューサー

ザ・コア
The Core



「ザ・コア」DVD発売・販売元:ジェネオン エンタテインメント
 地球は磁気を帯びる。“現在は”北極部にS極、南極部にN極が相当する磁極があり、身近には方位磁針を使って方位を知るのに利用される。

  地磁気(ちじき)は、地球が持つ磁気およびそれにより地球上に生じる磁場の総称だが、その強さは場所によって異なり、磁力は0・24〜0・66ガウス。赤道では弱く、高緯度地域では強い。常に一定ではなく複数の周期で状態が変わる。
  日あたりの変化を「日変化」、何年〜何百年にも及ぶ変化を「永年変化」と呼ぶ。日変化は太陽との関連があり、磁気嵐、オーロラも太陽と関係がある。

 磁場の発生原因には諸説があるが、現在は地球の核(コア)が電気伝導度の高い物質でできていて、その電磁誘導で磁場が発生するという「ダイナモ説」が最有力だ。そして地球は自転だけではなく、中心核の回転により磁場を発生させ、われわれを宇宙放射線から守っている。
  もし放射線の直射を受ければ? 地球は焼き尽くされてしまうのだ。

 ところがこの地磁気が年々弱くなっており、ここ100年では約6%弱くなっている。この割合で進むと1600〜2000年後には地磁気は消滅するそうだ。そして地磁気は、発生と消滅を繰り返しているとする説が現在、有力視されている。さらに、地磁気のN極・S極はなんと、100万年に1・5回の割合で「逆転」してきたというのだ!

 そして……いま、「ザ・コア」。地球の核が停止し、人類は1年以内に滅亡する。母なる地球が、そこに生きる者に最大の試練を課した……「ザ・コア」のストーリーを耳にして、そんなバカな……と思ったあなた、「ザ・コア」が十分科学的な知見をベースにした“科学的前衛映画”だということをおわかりいただけたろうか。

  最先端科学はパニック映画のプロデューサーなのである。
03年製作アメリカ映画。99年の「ボーイズ・ドント・クライ」でアカデミー主演賞を受賞、04年にはクリント・イーストウッド監督の「ミリオンダラー・ベイビー」で2度目のアカデミー主演女優賞に輝いたヒラリー・スワンクが地底探査艇パイロット役。

 なお、宇宙飛行士はアストロノーツだが、ここで活躍する地底探査隊は「テラノーツ」となる。