No. 5

内閣府(防災担当)が監修
世界へ広がれ津波防災の灯

稲むらの火
"Inamura no hi"
A Tsunami Awareness Educational Story






 本紙読者に「稲むらの火」はお馴染みだろう。安政南海地震津波(1854年)が紀州広村(現在の和歌山県広川町)を襲ったときの史実に基づきラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が物語をつくり、それが翻案されて戦前から戦後にかけて小学国語読本に採用され、防災教育の古典となった。

  今年1月の国連防災世界会議の演説のなかで小泉首相がこの物語を紹介し、インド洋津波衝撃の直後とあって国際的にも反響を呼んだ。

 小紙はこれまで人形劇「稲むらの火」(NPO人形劇プロジェクト「稲むらの火」)を通じてこの防災教育の名作を取り上げてきたが、先ごろ、内閣府防災担当が監修する「紙芝居・稲むらの火」(カット写真)が完成し、同時に同作品をモチーフとする絵本やDVDが制作された。学校や地域での津波・地震防災教材としてこれらの活用が期待される。

 今回のインド洋津波では国際的な海岸リゾート地での被害が大きかったことも特徴的で、多様な地域からの観光客に被害が大きかった。このため日本国内はもとより、国際的にも、海岸線を持たない地域の人々への津波防災教育の必要性も高まっている。

  そこで内閣府は『紙芝居・稲むらの火』の制作を機に(英語版もある)、アジア地域8カ国版の「稲むらの火」の小冊子を作成し、NGOアジア防災・災害救援ネットワークなどを通じて配布する。
  海外も含めて、津波防災面で先進国である日本からのメッセージとして、「稲むらの火」は新しい展望を開き始めたようだ。

●「稲むらの火と津波対策」関連資料・教材は、その寄贈・貸出を受けることが可。詳細は内閣府防災担当ホームページ「みんなで防災のページ」から「稲むらの火」にアクセスのこと。