パートナー決定

ある一冊の本

本屋で住宅関係の本を物色していたとき、ふとこの本が目に入りました。
この本は、施主の観点から家作りについて書かれたものでした。読み始めたときはかなり影響を受けました(正直、今はそうでもありませんが)。
その本の著者の関連サイトを見ていたら、ある建築家の名前が目に止まりました。しかも、同じ市内に事務所があるというではありませんか。

ローカルテレビ

地元のテレビ局で毎日午前中に主婦向けの番組が放送されていて、グルメ情報だのデパ地下情報などを流していました。
その中で住宅を紹介するコーナーがあり、妻がビデオに録画してくれていたのを見ました。
そこで紹介されたお宅の設計をした建築家を見て、「あれ?この人、インターネットで見た人と同じじゃないの」と気付きました。
番組で紹介されていたお宅は、OSBと呼ばれる合板を内装に使用し、また、集成材による太い梁や柱が特徴的でした。

建築家アトリエを訪問

まずはその建築家、まっちゃんにメールを送ってみました。とりあえず会うこととなり、家族全員連れて自宅兼アトリエに赴きました。8月9日の土曜日のことです。

まっちゃんの第一印象は、ネットで拝見した写真よりもずっととっつき易そうな(失礼!)、優しい方でした。自邸もご自身が設計したもので、中を見せていただきその設計ポリシーを披露してもらいました。

設計に先立つものとして、家族構成やら趣味やら生活上の細々したことや住宅に望むことがらを記述する分厚いシート「すまいのインフォメーション」を渡されて、まずはこれに書いて提出してくださいとのことでした。

振り返って考えてみると、このシートを埋めるために夫婦や家族でいかに考え話し合うかというのがとても大切だったのだと思います。そしてこれは、詳細設計が終了するまでの、夫婦間あるいは設計者(建築家)との葛藤の日々のはじまりでもあったわけですが。

ところで、予算計画の話題になったとき、かなり厳しい見解をもらい、「坪60万」と以前某工務店に言われたことを思い出しました。
結局は予算なの?この点で、A工務店と並行して交渉し、このあと1ヶ月ほどいずれにすべきか悩むこととなったのです。
設計料分だけ高くなる、というのは自分の中では「その後のコスト管理や見積調整などでチャラになる」と期待していたのですが、なかなか見えにくい部分でもあり、トータル予算ベースで比較するとA工務店の提案も、この時点では捨てがたいものでした。


設計力とは何か

A工務店は設計力に自信を持っている様子で、「請求こそしませんが本来設計料をもらってもいいくらいだと思っています」と言っていました。

建築予定の土地は北側以外の三方に既存の住宅などがあり、奥方は日当たりについて心配していました。A社はそれに対し、建物の中に採光用の塔を作ることを提案してきました。


一方、まっちゃんは建築予定地の写真と敷地図を一枚のペーパーに落とし、どの位置からどういう風景が眺められるか、隣地の住宅の事情(将来建て替え可能性の有無等)を克明に示した「敷地分析図」を作成していました。

打ち合わせの際にこれを見せてもらった瞬間、その鮮やかさに感銘しました。これこそ、設計力の一端ではないか?こんな敷地調査、A工務店から提示されたことはありません。
この敷地分析図は、私にとって意思決定に相当影響を与えました。

まっちゃんから示された敷地分析図。


「平面図は書きません。」

A工務店は足繁く我がアパートに通ってくれて、平面図を元に何度か打ち合わせをしました。

いっぽう、まっちゃんは契約前の図面作成はしませんというスタンスでした。もし平面図を作成するとなるとそれなりの労力を要するのでそれ相当の対価が必要になるというのです。

施工金額についても、A工務店はおおよその見積もりを提示してくれましたが、まっちゃんからは「これほどのローコストは今までやったことがない」と今ひとついい返事がもらえませんでした。

このときが家つくりの最初のピークでした。妻は私ほどには建築家への依頼に執着しているわけではありませんでしたし、予算内に収まるかどうかは重要な点でしたのであれこれ逡巡しました。

もっとも、われわれのいう「予算」というのがまっちゃんに見えにくかったかも知れません。メーカーと違い、融資などの資金確保の心配をしてくれるわけではないので、予算設定は全く施主の自己責任の範囲です。「予算にこだわるなら、メーカーに依頼して建てるというのも選択肢のひとつと思います」とも言われましたし。

判断に迷っている私たちを見かねて、まっちゃんは最近の施工例としてKさんの家を見学させてくれました。おそらく建築家の設計による住宅を見るのは始めてでした。そこでは建物の特徴を見ることができ、住まわれている施主のお話も聞け、大変参考になりました。
なお、このとき私達が十分見学できるように、まっちゃんは我が家のこどもたちをお守りしてくれました。

ようやく、私たちはまっちゃんに依頼することを決めました。2003年9月11日のことです。


A工務店に断わりに行く

A工務店には断ることにしました。

これまでさんざんアパートに来ていただいていたので、今回はこちらから伺うこととしました。
工務店事務所に行くのはこれが最初で最後です。

行く前に、断る理由としてこんな文章を整理しておきました。
でも実際にはこんなに流暢には話せませんでしたが。

担当のNさんはそうとうガッカリしたようで、お詫びのしるしに持参した品を受け取ってくれませんでした。


紹介サービスの建築家に断わりのメールを出す

建築士紹介サービスにより我が家の設計募集に第一アプローチとして応募してもらった11社のうち、我が家の要望について言及していないもの、施工例に感じるものがなかったものは早々に選択肢からはずしていました。

残念ながら、応募いただいた建築家は遠方の方がほとんどで、打ち合わせと現場監理に懸念がありました。

かなり好感触を持っていた市外の建築家H氏へのお断りのメールです。断る理由を述べています。長いですが、ほぼ原文どおりここに載せます。

なお、応募していただいた建築家それぞれに、届いた書類は返却しました。


建築設計監理委託契約の締結

まっちゃんが我が家に関する業務を実質的にスタートしたのは、前述の敷地分析からということになります。
その後、設計作業がスタートしてから正式に設計監理契約を結びました。

契約書上で謳われた業務内容と報酬割合は以下のとおりです。
業務詳細報酬
企画調査・現地調査
・計画プログラム作成
5%
基本設計・基本設計図作成
・工事概算書作成
35%
実施設計・実施設計図作成
・仕様書作成
・建築基準法に基づく確認申請手続き協力
・工事請負契約条件立案
30%
監理・工事契約協力
・施工図等の検査及び承認
・工事指導
・変更工事処理
・中間及び最終支払の承認
30%

タイムスケジュール予定は、以下のとおりとしました。
企画調査:2003年8月14日から2003年9月14日まで
設計期間:2003年9月15日から2004年3月31日まで
監理期間:2004年4月01日から2004年9月30日まで(ただし引き渡し希望日は9月中旬)

なお、設計監理報酬については、契約時に25%、基本設計完了時に20%、実施設計完了時に25%、上棟時に20%、竣工時に10%それぞれ支払うこととなりました。
設計監理料の詳細についてはこちらもご参照ください。

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