人と自然の交差点
 このコーナーでは、色々なテーマを一年に2つくらいに絞って皆さんに意見を求める場です。結構、渓に入ったりすると、素朴な疑問などがあるもんですよね。そこで、新設しました。
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 う〜ん、渓の中って結構沢山疑問に思う事ってあると・・・。そう思いませんか?次回のテーマはいったいどんな物が出るのか?

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 大川水系小又川支流西叉沢で、薙ぎ落ちる滝が連続する上に棲息するイワナをしっかりと見てしまった。先ず下流部から運び上げるのは確かに不可能である。なら反対側の砥沢川からと成るのだが、金蔵沢の支流水源から西叉沢の水源まで空身なら約1時間強、その気に成れば可能性は高く成るが、じゃあ誰がと成ると答は出ない。 

 山菜採り、砥石採掘、猟師、山師あたりが山に係わった人々であろう。腕物や曲げ物を生業にした木地師も山に係わったと考えられるが、スラブ帯では、木地師の活躍は低いと見るのが順当な所だろう。その意味で言えば山菜採りも外せる。残るは砥石採掘、山を縦横無尽に歩いた猟師、鉱脈を求め沢から山肌をなめるように歩いた山師達だ。

 先ずは砥石採掘にたずさわった人々達だが「働けド働けど暮らし楽にならず」が本当のところであったろう。そんな苛酷な労働の中で移殖放流へ向かわせる気持ちが生まれただろうかと言ったら、私はNOと答を出す。向かう程の体力が有るなら一片でも多くの砥石を運び出す力に当てたいと思うからだ。次に山中を縦横無尽に走り回った猟師だが、永年の間には不猟が続いた時も有ろう。

 人が登るのでも困難な滝が連なる。はたしてイワナが遡る事は可能か?あなたは滝の上に棲息するイワナに何も感じませんか?
 

 そんな時山に精通した知識から猟師から漁師へ、二足のわらじを履く者が現れても可笑しくない。生活を安定させる上で所謂隠し沢的渓を作り出した可能性は高い。…が、里から2日を要する地を考えると可能性はあってもその可能性は低い。さて最後は鉱脈を求め山中を闊歩した山師達だが、私の見る限りでは渓筋を主に探索した気配が有る。闇雲に山中を歩くよりは岩石が転がっている渓筋の方が、手掛かりを見つけ易かった、と推測するのがその根拠だ。有望な鉱脈が見つかれば売る訳だが、売るにして、もその埋蔵量を調べなければ成らない。そう成ると長期に滞在する必要がうまれる。その為のタンパク源として移殖された可能性は高いと見ている。それは自分が生きて行く上で必要とするからだ。

 今回の砥沢川、大川の周辺に限って言えば、スラブの連なる山並へは叶津川が有り、その源流部へ「フキ平」と呼ばれる開けた台地が存在する。掘り出された鉄鉱石を吹いた所からして、砥沢川、大川を分ける山並にまで足を伸ばした可能性は高い。

 ふとここまで書いて私は何か、滝が連続する流れに棲息するイワナをどうしても移殖放流された物と断定して書いている気がしてきた。渓へ棲息する渓流魚は海から遡ったアメマスやサクラマスが海へ帰らず、川に残って陸封化されたのがイワナでありヤマメと読んだり聞いたりした事が頭の中を占めているからに他ならず、どうしても渓流魚自身が滝を全て遡れる筈もなく、現在滝が連続する上流へ棲息渓流魚達は、滝が出来る以前にに遡って陸封化された後に地殻変動で滝が出現、下流との往来を遮断された物と無理矢理自身の考えを決め付けて来たが、決め付けた自分自身納得出来ない部分が多く有りスッキリしない。ましてや今回下降した西又沢を実際歩いてしまうと、自身で遡った説や、地殻変動説が消滅し移殖放流を探ってしまうのかも知れない。

 

 ここまで書いてふと考えてしまった。魚が渓を遡る、人間でも遡るのが困難な所を手も足もない魚に果たして遡る術が有るのだろうか。私にはどうしても遡れたとは思えない。遡れない者を遡らせようとするから話しに無理が生じるんで、逆に発想を転換し魚が下降して行ったに置き換えた方が話の筋に矛盾が少なく成る。つまり日本が誕生したのは隆起したのか、海水が蒸発して地表に現れたのかは知らないが、奥利根で貝の化石が出る所からして海中に有ったのは疑う余地はない。幸い渓流魚は海水、淡水の両域で棲息する事が可能で有ったのが今日に繋がっていると考えた方が、滝の連続した上流へ棲息していても考えに無理はない。

 最近深層海水(確かそんな名だった)なる水を使った商品が人気を博しているとか聞く、私も詳しくは調べてないが、ある地の氷河が解け水温の低さが幸いし海水と混ざりにくい層を作り出し、帯状と成って地球を取り巻き流れているらしい。口に含んだ者のまた聞きだが多少塩っぱいとか、つまりは深層の気水域なのだろう。日本が誕生以前現在の渓流魚がこの層で生活していたとしたら、身を切る様な低温の中で生活出来る現在に通じるし、現在渓流魚が海に下ってどのように生活しているのかは解明されていないが、深層海水の流れに乗って地球を廻っているのかも知れない? ただ困った事にこの説も矛盾する部分が有る。現在ヤマメはイワナより下流に棲息する。ヤマメはイワナに比べ水温の高い所で棲息が可能とされているからだが、現在の渓流を海中へ置き換えると、渓流の下流は当然深層でその分水温は低い。この逆転現象をどう解明するかだが、一つのクエスチョンは青森にのみ棲息するスギノコ、ヤマメの姿だがイワナより上流に棲息する、このあたりの謎が解けたなら日本の誕生と同時期から棲息した説も解明されると思うのだがどうであろうか。

 別にこの説が正しいかどうかは知らない。私が勝手に仮説を立てただけだから、目にした方で、いやそうじゃないよこうじゃないのとか意見、或いは説があったら寄せてほしい。何としても滝が連続した上流に棲息するイワナの謎を解きたい。

安野 禎彦 

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